親の土地に家を建てる際、親が死んだらどうするかを事前に確認しておく
親の土地に家を建てると「親が死んだらどうしよう…」「親が死んだら不動産ってどうなる?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。当社にも「親が死んだらどうしたら良い?」というご相談が寄せられています。
家を建てるのを検討する時、親が土地を持っている場合そこに家を建てるのも選択肢の一つに入ってくると思います。その敷地内に家を建てることは多くのメリットもありますが、デメリットもありますので、家を建てるときには充分理解を深めておくことをおすすめいたします。
今回は、親の土地に家を建てることを検討している方に向けて、メリットやデメリット、また、「親が死んだら不動産はどうなる?」といった疑問に不動産会社のあきやの未来が解説いたします。
土地の活用方法別に発生する相続税や贈与税についてもご紹介しますので、親の土地に家を建てることを検討しており「親が死んだら不動産に関わる相続や税金は?」と不安な方は、ご参考にしていただければと思います。
親の土地に家を建てることのメリット・デメリット
最初に親の土地に家を建てることのメリット・デメリットについて、紹介していきたいと思います。
メリットばかりに目がいってしまいがちですが、その一方でデメリットも存在します。デメリットを理解しないまま家を建ててしまうと、後からトラブルが起きてしまった、ということもあるかもしれません。トラブルはできれば避けたいものです。
メリット・デメリットの双方をご覧になって、家を建てる際の判断材料の一つにしていただければと思います。
親の土地に家を建てるメリット
親の土地に家を建てることの一番のメリットは、土地が無料で使用できたり、支出を大きく節約できるという点です。一般的に土地を購入しようと思うと、大きな費用がかかりますが、この費用を大きく節約できるという点がメリットの一つです。
二つ目のメリットとして、土地の購入による支出を抑えられることで、ローンの借入金額も抑えられることになり、結果的にローンの審査が通りやすくなることが挙げられます。
またご家庭によっては家庭間の距離が近くなり、お互い安心して暮らすことができるという点も、メリットの一つとして挙げられます。
親の土地に家を建てるデメリット(注意点)
次に親の土地に家を建てることのデメリットについてもご紹介したいと思います。
まず大きなデメリットとなり得るのが、相続に関するトラブルが起きてしまう可能性がある、という点です。「親が死んだら相続人同士で揉めた」という話は決して珍しくありません。
親の土地に子の家があっても、その土地は遺産であり相続されます。不動産の相続は複雑になることが多いですが、子が所有する家の土地の相続人が複数存在すると、より複雑化してしまう可能性があります。
起こり得る揉め事の具体例や対策については後ほど詳しくご紹介します。
住宅ローンを組もうと思うと、建てる家とその土地を住宅ローンの担保にしなければならないこともある、という点もデメリットの一つです。何か他の担保になっている場合、担保にできないことがあります。加えてローンの返済が困難になってしまった場合、売却しなければならないケースがあるという点にも注意が必要です。
親の土地に家を建てるとかかる税金(相続税・贈与税等)は?
親の土地に家を建てる際にかかる税金や、相続するとかかる税金をご存知でしょうか。特に「所有者が死んだら土地の相続にはどんな税金がかかるのか」という点は皆さんが気になるポイントだと思います。
土地をどう扱うかによってかかる相続税・贈与税・所得税といった税金が異なってきます。
今回は以下の3パターンについて、それぞれの特徴とかかる税金をご紹介したいと思います。
- 親の土地を無償で借りて子が家を建てる
- 親の土地を有償で借りて子が家を建てる
- 親から土地を譲り受け子が家を建てる
それぞれのパターンでどのような税金がかかるのか把握し、家を建てる際の参考にしていただければと思います。
親の土地を子が無償で借りて家を建てる
親の土地に家を建てる場合に最も一般的な方法であろう、親の土地を子が費用を払わず借り家を建てる、というパターンです。
このパターンは子が費用を払わず借りているだけなので贈与税がかかりません。金銭のやり取りが発生していないため所得税もかかりません。
しかしこの土地を将来相続する際には相続税がかかります。ここは持ち主が使い方を自由に決められる「自由地」であるため高く評価されやすく、相続税も高くなる可能性があります。
また子は無償で借りるため、有償の場合とは異なり借りる側の子の権利が弱く、何らかの理由で立ち退きを求められてしまうと退去しなければならないというリスクもあります。
親の土地を子が有償で借りて家を建てる
次は一般的な土地を借りる場合と同様に、子が親に費用を支払って土地を借り、そこへ家を建てる、というパターンです。
有償で借りる場合でも、贈与税は発生しません。しかし子は権利金と借地料を払う必要があり、借地料だけを払う場合費用を払わず借地権を得た扱いとなって、贈与税がかかってしまうこともあるので注意が必要です。
その土地を相続する際、無償の場合の「自由地」とは異なり、子に借地権があるため評価額が下がり、相続税も低くなることが多いです。
貸す側は子から土地を貸す費用を受け取るので、所得税を納める必要が出てきます。
子が親から土地を譲り受け家を建てる
最後に親から子へ土地を無償または格安で譲り、そこに子が家を建てる、というパターンです。
もちろん費用を受け取らずに譲ると贈与税がかかりますが、有償で譲った場合でも土地の相場の価格から支払った金額の差分に対して贈与税がかかってしまいます。加えて不動産所得税、登録免許税といった税金を納める必要も出てきます。
しかし土地自体は子が生前に譲り受けているので、相続税はかかりません。
また有償で譲った場合には少額であっても所得税がかかります。
一定の条件を満たせば相続時精算課税制度を活用することもできます。これは2500万円を限度として贈与税を納めずに、亡くなったら相続税と併せて納めることができる制度です。相続時精算課税制度について詳しく知りたい方は専門家へご相談ください。
親の土地に家を建てることで起こり得る相続トラブルとその対策
親の土地に家を建てることで起こり得る相続の揉め事と、その対策方法についてご紹介します。
「親が死んだら不動産ってどうなる?」
「親が死んだら不動産の揉め事が起こりやすいって聞くけど本当?」
「兄弟がいる場合、親が死んだら不動産の相続はどうなる?」
親の土地に子が家を建てる際、「親が死んだら起こる不動産関係の問題」についてよくご質問をいただきます。
先述したように親の土地に家を建てると、家の持ち主は子だけれど土地の所有権は無い、という複雑な状況になりますが、親が亡くなってしまうとその土地のみが遺産相続の対象となります。ただでさえ不動産の相続はトラブルが起きやすく、既に相続人の一人である子の家が建っている場合は尚更です。
土地の相続の揉め事は一度起きると解消するのに長期間を要することがある上に、人間関係を悪化してしまう可能性も秘めています。
ここでご紹介する起こり得る相続の揉め事とその対策方法をご覧いただき、「親が死んだら相続人同士で揉めて険悪な関係になってしまった」ということがないよう、事前対策のご参考にしてください。
不動産は分割がしにくい財産で相続の揉め事が起きやすい
相続人が複数いる場合、遺産を相続人で分ける遺産分割を行いますが、預貯金や証券といった金融資産と比較すると不動産は分割しにくい遺産と言われています。「親が死んだら不動産の事で揉めた!」という話をよく耳にする程、不動産は揉め事が起こりやすい遺産です。相続人の間で均等に分け合うことも可能ですが、狭いと自由に使いにくいですし、子の家が建っていると尚更自由には使えません。
この「親が死んだら揉めやすい」点が、子ども側にとって建築時の心配の種であり、「親が死んだら不動産の分割はどうしたら良いのか」と調べられる方も多くいらっしゃいます。
預貯金や証券や株式といった遺産があれば、それらを含め相続人で均等に分けることもできるかもしれません。それらが無いと、家を建てた子が土地を相続し、法定相続分を超えた額を他の相続人へ払うという手法もありますが、土地という高額な遺産だと代償金も高額になり用意が難しいかもしれません。
お互いが納得できないと、家庭裁判所によって法律に基づき遺産が分割され、売却し換金した上で分け合うということになる可能性もあります。
このように親の土地に家を建てると、揉め事が起きやすいということは知っておいた方がいいかもしれません。相続する方は事前に対策を行い、「親が死んだら相続人同士で揉めた」という可能性を抑えておくことをおすすめします。
家族で事前に相続の取り決めをしておく
「親が死んだら土地の相続でトラブルが起こるかも…」と心配な方は事前に話し合いをすることをおすすめします。
揉め事を起こさないためには、亡くなる前に遺産をどう分割するのか、取り決めをしておくことが重要です。「親が死んだら不動産をどうするか」ということについて、事前にお互いが話し合い、納得していればいざという時にトラブルは起きにくいです。
また、家を建てた子が土地も相続することが「親が死んだらどうするか」という事前の取り決めで決まっていれば、まとまった代償金を用意する時間の猶予も生まれるかもしれません。
しかし生前に行う取り決めに法的な効力はありませんので、「親が死んだら不動産をどうするか」という話し合いだけでなく、遺言書を作成してもらっておくと、よりトラブルを回避しやすくなるかもしれません。
生前に子の家が建っている土地を譲るのも選択肢の一つです。子へ贈与することで子が所有することになるので、土地の相続はありませんから、相続に関するトラブルは起きないでしょう。しかし譲る際に贈与税がかかってしまう点には注意が必要です。
「親が死んだらどのように遺産を扱うか」という事を事前にすり合わせておくことは、円満な相続に繋がりますのでしっかりと話し合いをしておくことをおすすめいたします。
相続する土地の名義変更を変更する(相続登記)
「親が死んだら土地を譲り受けるけど何をすればいいのかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。悲しみに暮れ、途方にくれてしまう方も多いでしょう。しかしやるべき手続きは多く、土地の相続にもやるべき手続きと期限が存在します。
土地を相続すると、名義変更を行わなければなりません。相続した土地を相続人の名義に変更することを「相続登記」と言います。
この相続登記は令和6年の4月より、相続してから3年以内に手続きをすることが義務付けられます。これを行わないと10万円以下の過料を科されてしまいます。
また名義を変更しないまま先延ばしにしていると、その間に相続人が亡くなってしまうケースもあるかもしれません。このような事態になると、煩雑な土地の相続問題や手続きが更に煩雑になる可能性もあるので、早めに名義を変更しておくことをおすすめします。
相続登記については、いざ相続するときに「親が死んだら相続登記をしないといけないの?」「知らなかった!」と慌てることがないよう、事前によく知っておきたい情報ですね。
また、もし誰も相続せず不要になってしまった土地がある場合は、こちらの記事で詳しく対応をご紹介しています。ぜひご参考にされてください。
不動産のことでお困りの方はあきやの未来(常総店・筑西店・坂東店・桜川店・つくば店)までご連絡ください。
不動産のことでお困りの方はあきやの未来(常総店・筑西店・坂東店・桜川店・つくば店)までご連絡ください。
今回は親の土地に家を建てるメリット・デメリット、そして「親が死んだらこんな事で揉めた!」といった不動産の相続でよくある問題やその対策をご紹介しました。
ご自宅を建設する際、親御さんの不動産の活用はよく検討される方法です。ですが、「親が死んだら不動産の相続はどうなるの?」「兄弟がいるけど、親が死んだら遺産相続で揉める?」といった疑問を感じられる方は少なくありません。
「親の土地に家を建てたいけど、親が死んだらどうしよう…」
「親が死んだら不動産ってどうなる?」
「親が死んだら土地の相続でトラブルが起こるかも…」
そんな「親が死んだらどうしたら相続はどうなるのか」といった疑問にもお答えいたしました。「親の敷地内に家を建てた場合、親が死んだらどうするの?」とお悩みの方はぜひ参考にしていただければと思います。
当社は常総・筑西・坂東・桜川・つくばのエリアで、不動産の仲介・買取や空き家の管理を行っている不動産会社です。不動産ビジネスの実績と経験を基に、お客様に応じた寄り添った提案を行い、茨城県への社会貢献や地域活性化を目指しています。
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