土地の相続放棄に費用はどのくらいかかる?ケース別の費用について解説
土地の相続放棄に費用はどのくらいかかるのでしょうか。
相続する土地が遠方にあるなどの理由で、土地の相続放棄を検討する方もいらっしゃるかと思います。
相続放棄を選択する場合、手続きには費用がかかりますが、その金額は自分で手続きを行う場合と専門家に手続きを依頼する場合で異なります。また、相続放棄には期限があり、相続を知ったときから3カ月以内に家庭裁判所への申し出が必要です。
そのため、相続放棄の費用だけでなく期限もしっかりと考慮し、どのように手続きを進めるかを慎重に検討することが重要です。
この記事では、土地の相続放棄における費用の相場や、費用を支払えない場合の対処法、そして専門家に依頼するメリットについて詳しく解説します。
相続放棄については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
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土地を相続放棄する場合の費用相場をご紹介します
土地を相続放棄する場合、費用の相場がどのくらいかが気になるポイントだと思います。
土地を相続放棄するときの費用は、自分で行う場合と専門家に依頼する場合で異なります。
土地の相続放棄の手続きを自分で行う場合、最も費用を安く抑えられるというメリットがあります。一方、司法書士や弁護士などの専門家に依頼する場合は、自分で行うよりも費用がかかりますが、手続きが正確かつスムーズに進むというメリットがあります。
さらに、土地の相続放棄の期限を過ぎてしまった場合など、事情によっては追加費用もかかる可能性があります。
ここからは、土地の相続放棄における費用相場についてケース別にご説明しますので、ご自身に適した方法を判断する参考にしてください。
自分で手続きを行う場合
土地を相続放棄するための手続きを自分で行う場合、費用は3,000円~5,000円程度です。ただし、相続放棄を申請する人によって必要書類が異なりますので、追加で費用がかかることがあります。
具体的な費用の目安は以下のとおりです。
収入印紙(申述書1人分) | 800円 |
被相続人の住民票除票または戸籍附票 | 1通300円 |
被相続人の死亡が記載された戸籍謄本 (除籍、改製原戸籍) |
1通750円 |
申述人の戸籍謄本 | 1通450円 |
連絡用の郵便切手 | 400~500円程度 |
自分で土地の相続放棄の手続きを行うメリットは、費用を抑えられる点です。しかし、デメリットとして、手続きには時間と手間がかかることが挙げられます。提出する書類に不備があると家庭裁判所から訂正を求められるため、ご自身で家庭裁判所に足を運ぶ必要があることにも留意しましょう。
相続放棄の手続きに不安を感じる方や時間がない方は、専門家に依頼するのが良いでしょう。
司法書士に依頼する場合
司法書士は、相続放棄に関する必要書類の取得から、書類作成や提出代行などを行います。ただし、司法書士には手続きの代理権がなく、複雑な法的トラブルや交渉には対応が難しい場合もあります。
司法書士に依頼する場合の費用の相場は、1人につき3万円~5万円程度です。
相談料 | 1時間あたり 0円~5,000円程度 |
申述書作成代理費用 | 3,000円~6,000円程度(戸籍の取得費用・実費を含む) |
代理手数料 | 3万~5万円程度 |
基本的な手続きであれば、司法書士に依頼することで費用を抑えながら確実な手続きが可能です。
弁護士に依頼する場合
弁護士は、手続きの代理権を有していますので、弁護士名義で相続放棄の申し立てを行うことができます。また、弁護士は相続放棄に関する手続き全般をサポートし、裁判所への申立てや債権者対応、複雑な相続問題の解決など幅広く対応できます。
弁護士に依頼する場合の費用の相場は、1人につき5万円~10万円程度です。
相談料 | 1時間あたり 0円~1万円程度 |
申述書作成代理費用 | 3,000円~6,000円程度(戸籍の取得費用・実費を含む) |
代理手数料 | 5万~10万円程度 |
複雑な問題が予想される場合や、相続トラブルなどにより全面的なサポートが必要な場合は、弁護士への依頼をおすすめします。
相続放棄の費用が高くなるケースもあります
土地を相続放棄するための手続きでは、状況によって相場よりも費用が高くなるケースがあります。
主なケースをご紹介しましょう。
- 相続放棄の期限を過ぎている場合
前述のとおり、相続放棄には期限があります。その期限を過ぎてしまうと、基本的に相続放棄が認められませんが、専門家に「事情説明書」を作成してもらうことで、相続放棄が認められるケースがあります。その場合、通常よりも専門家に依頼する費用が増える可能性があります。
- 相続財産の調査を依頼する場合
相続の手続きにおいて、まずは被相続人の相続財産がどのくらいあるかを調査する必要があります。この相続財産の調査を専門家に依頼する場合は、調査費用として追加費用がかかることが一般的です。
- 相続財産清算人を選任する場合
相続人全員が土地を相続放棄をした場合、土地などの相続財産を管理する人が不在になります。そのため、代わりに土地などの相続財産を管理するための「相続財産清算人」を選任する必要があります。相続財産清算人の選任にあたっては、必要書類を準備し、家庭裁判所に申し立てる手続きが必要ですので、その手続きにかかる費用が追加で発生します。
専門家への費用の支払いに不安を感じる方のための対処法
専門家への費用の支払いに不安を感じている方にも安心の対処法があります。
法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用する方法があります。
法テラスは、法的な問題を解決するために国が設立した、法律の総合案内所です。
法テラスでは、経済的な負担が大きい方に対して、一定の要件を満たす場合に司法書士や弁護士の費用を一時的に立て替えるサービスを提供しています。立て替えてもらった金額は、分割払いで返済することが可能です。
また、司法書士や弁護士の事務所によって分割払いが可能な場合もありますので、一括での支払いが難しい方でも月々の負担を軽減することができます。
このような対処法を上手に活用して、土地の相続放棄にかかる費用面の不安を解消しましょう。
相続放棄を専門家にお任せする3つのメリット
相続放棄を専門家にお任せするメリットを3つご紹介しましょう。
1. 手続きの確実性とスムーズさ
土地の相続放棄は法的な手続きを伴い、不備があると認められないリスクがあります。専門家に依頼すれば、書類作成や家庭裁判所への申請が正確に行われ、手続きをスムーズに進めることができます。
2. 時間や労力の節約
土地を相続放棄するための手続きには時間と手間がかかりますが、専門家に任せることで、手続きの負担を大幅に軽減できます。これにより、日常生活への影響を最小限に抑えながら進めることが可能です。
3. 複雑なケースにも対応
相続する財産が多岐にわたる場合や、相続人間のトラブルがある場合には、専門家の助言が必要になるでしょう。弁護士は法的トラブルへの対応を専門としているため、安心して相続放棄の手続きを任せることができます。
相続放棄の期限は3カ月と短いため、手続きを進めているうちにあっという間に期限が来てしまうことがあります。費用面だけでなく、全体的なサポートや手続きの確実性も考慮し、総合的に判断することをおすすめします。
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今回の記事では、土地の相続放棄における費用相場や、費用を支払えない場合の対処法、専門家に依頼するメリットについてご紹介しました。
相続放棄は、土地など一部の相続財産だけを放棄することはできず、すべての相続権を失うことになります。このため、土地の相続放棄を検討する際には、その点を十分理解したうえで判断することが重要です。また、相続放棄には期限がありますので、手続きに不安がある場合は、早い段階から専門家にアドバイスを求めることをおすすめします。
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