建物のリースバックとは?使い続けながら売却する方法を解説
リースバックとは、自宅や店舗などの建物を一度売却し、その後に賃貸借契約を結んで建物を使い続けられる仕組みです。
まとまった資金を確保したいものの、今の建物から引っ越さず済ませたいという方にとっては、非常に便利な方法です。売却によって不動産を現金化しながらも、生活や事業を続けられる点が大きな特徴といえるでしょう。
特に「今すぐお金が必要だが自宅を手放したくない」「店舗を維持しながら事業資金を調達したい」といったお悩みを持つ方には、リースバックは有効な手段です。
ここからは、リースバックの仕組みや契約の流れ、さらにどのような人に適しているかを具体的に解説します。
リースバックの仕組みと基本的な流れ
リースバックでは、まず所有している建物を不動産会社などのリースバック業者に売却し、その後、賃貸借契約を結ぶことで、売却後も同じ建物を使い続けることができます。
具体的な流れは以下の通りです。
1. 査定
建物の市場価格を把握するため査定を受けます。まずは簡易的な査定が行われ、売却金額の概算が示されるのが一般的です。その後、リースバック業者のスタッフが実際に現地調査を行い、正確な査定額が提示されます。
2. 不動産売買契約の締結
査定額に納得すれば、不動産売買契約へと進みます。建物を売却する契約を締結し、資金を受け取ります。
3. 賃貸借契約の締結
リースバックの場合、建物を売却して終わりではなく、すぐに賃貸借契約を結びます。その後は家賃を支払うことで、引き続き建物を利用できます。自宅の場合も、これまで通り同じ場所で生活を続けることができます。
このように、リースバックは建物を手放さずに資金を得られるため、安心できる選択肢となります。
住宅のリースバックはどんな人に向いているの?
住宅のリースバックは、さまざまな理由でまとまった資金が必要な方に最適です。具体例をご紹介します。
- 老後資金の確保をしたい人
リースバックを利用して住宅などの建物を売却することで、まとまった資金を得ることが可能です。さらに、リースバックなら売却した住宅にそのまま住み続けることができるため、新たに住まいを探す必要もありません。経済的な面で老後の生活に不安を感じている人にとって、老後の生活を支える有効な方法です。
- 住宅ローンを返済したい人
住宅ローンの返済が難しくなった方にとっても、リースバックを活用して返済する方法があります。売却資金でローンを完済し、家賃の支払いに切り替えることで、毎月の負担を軽減できる場合もあります。
- 相続対策をしたい人
相続問題を回避するためにも、建物のリースバックは有効です。不動産は分割が難しい資産ですが、売却して現金化することで、公平に分配しやすくなります。
このように、リースバックはさまざまな課題を抱える方にとって活用できる仕組みです。
【店舗・事業所の場合】幅広い用途での活用方法
リースバックは、個人が所有する建物だけでなく、店舗やオフィスなどの事業用不動産でも活用できます。特に、資金繰りに悩む中小企業経営者や個人事業主にとっても、心強い選択肢となります。
まず、店舗や事業所を売却することで、まとまった資金を調達できます。銀行から融資を受ける場合は審査が必要で、審査に通らなければ資金を借りることもできません。しかし、リースバックは建物を売却するため、業績に左右されずに資金を調達できます。
また、売却後も賃貸借契約を結ぶことで、移転せずに同じ場所で営業を継続できるのも大きなメリットです。
さらに、建物の所有に伴う固定資産税や修繕コストなどの維持費を削減できる場合もあります。リースバックを利用すると毎月の賃料は発生しますが、維持にかかる費用を抑えられる可能性もあり、便利です。
建物のリースバックにはどんなメリット・デメリットがある?
「自分にとってリースバックが本当に最良の方法なの?」と不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
建物のリースバックは便利な仕組みではありますが、すべての人にとって最良の選択肢とは限りません。リースバックを検討する場合には、メリットとデメリットの両面を理解することが大切です。
例えば、リースバックによって資金が手に入る一方で、所有者ではなくなることに伴うリスクもあります。また、賃貸借契約に切り替えるため、家賃負担が長期的に発生する点も考慮すべきポイントです。
ここからは、リースバックのメリット・デメリット、そして信頼できる業者を選ぶためのコツを、中立的な立場で詳しく解説していきます。
建物をリースバックする際のメリット
リースバックの最大のメリットは、建物を売却して資金を確保しながら、今の生活や事業を継続できる点にあります。
誰にとっても「現住所を変えずにまとまった資金を得たい」という状況は起こりうるものであり、リースバックはそのニーズに応える柔軟な手段です。
例えば、自宅を売却した場合でも、賃貸借契約を結ぶことで引き続き住み続けることができます。住宅ローンの返済が難しい方にとっては、リースバックによってローンから解放され、家賃の支払いに切り替えることで負担を軽減できます。
また、事業者の場合は、建物を売却することで運転資金を確保でき、移転せずに事業を続けられるという大きな利点があります。
建物をリースバックする際のデメリット・注意点とは
リースバックは便利な仕組みですが、デメリットや注意点についても理解しておくことが大切です。
最大のデメリットは、建物の所有権を手放すことです。売却後は不動産の所有者が第三者に変わるため、自由に改修したり、再度売却の交渉を行ったりすることが難しくなります。
また、賃貸借契約を結ぶことで、毎月家賃を支払う必要があります。これが長期的な負担となり、家計や事業の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
さらに、契約期間満了後に再契約ができないケースや、家賃の値上げがある場合もあるため注意が必要です。
対策としては、契約前に契約内容を細部まで確認し、賃料の設定や更新の可否、再購入の可能性について明示してもらうことが重要です。自宅や事業用建物のリースバックを検討する際は、一時的な資金確保だけでなく、長期的な住居・経営の安定も視野に入れて判断しましょう。
なお、リースバック特有の仕組みについて、以下の記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
信頼できる業者かどうか見極める方法は4つ!
リースバックを成功させるカギは、信頼できる業者を選ぶことにあります。建物という重要な資産を売却し、生活や経営の基盤を賃貸借契約に切り替えるからこそ、業者選びには慎重になるべきです。
以下の4つのポイントを確認しましょう。
説明が丁寧か | リースバックの仕組みや契約内容について、専門用語をかみ砕いて説明してくれるかどうか。 |
契約条件が明確か | 家賃、契約期間、更新可否、再購入の可能性などが契約書に明記されているか。 |
過去の実績が豊富か | 自宅や事業用建物のリースバックなど、多様なケースに対応してきた実績があるか。 |
アフターサポートが整っているか | 契約後のトラブル対応や再契約のフォローがあるかどうか。 |
建物のリースバックでは、表面的な条件だけで判断せず、リースバック業者としての信頼性や対応力にも注目することが大切です。
資金面や契約内容のリスクを減らすためにも、複数の業者を比較したうえで、リースバックを利用するかどうかを決めましょう。
リースバックを利用すると固定資産税はどうなるの?
リースバックを利用すると、建物の所有権が買主へ移転するため、これまでかかっていた固定資産税を支払う必要がなくなります。
固定資産税は、不動産を所有している人に課される税金のため、リースバック後は建物の貸主が固定資産税の支払いを行います。自宅や事業用の建物で、毎年の固定資産税が大きな負担となっている方にとって、建物を売却しても使い続けられるリースバックは、経済的なメリットがあるといえるでしょう。
ただし、リースバックを利用することで、新たに発生する費用もあるため注意が必要です。建物を使い続けるために支払う賃料もその一つです。固定資産税の代わりにどのような費用がかかるのか、この点を把握しておくことも大切です。
所有権移転後に発生する新たな費用とは
リースバックでは、固定資産税が不要になる一方で、新たな支出が発生する点に注意が必要です。建物を使い続けるにあたって発生する費用をご紹介します。
- 賃料
最も大きな費用は、毎月の賃料です。具体的な金額は、売却価格や不動産の立地、建物の状態、地域の相場をもとに決定されるのが一般的です。
- 火災保険料
借主負担となっている契約の場合は、火災保険料もリースバック後に新たに発生する費用です。建物によっては加入が義務付けられていることもあり、万一の備えとしても重要です。
- 原状回復費用
将来的に建物を退去する際には、元の状態に戻すための原状回復費用が発生することがあります。特に、過失による損傷がある場合は自己負担となるため、契約時に内容を十分確認しましょう。
リースバックを検討する際は、建物の売却益や資金調達だけでなく、こうした費用面も含めて資金計画を立てることが重要です。固定資産税がなくなる安心感だけで判断せず、長期的な負担を見据えて冷静に準備しましょう。
リースバックで土地・建物はいくらで売れる?売却相場の目安と考え方
リースバックを利用して建物や土地を売却する場合、売却価格は通常の不動産売却に比べてやや低くなる傾向があります。一般的な相場の60%~80%くらいが目安とされ、これは買主側のリスクを加味した結果です。
というのも、リースバックでは売却後も賃貸借契約を結び、元の所有者が建物に住み続けるため、自由な転売や活用がすぐにはできません。さらに、退去後には建物の価値が下がっている可能性もあるため、買主側が慎重な価格設定を行うのです。
リースバックの売却価格の詳細については、以下の記事も合わせてご覧ください。
リースバックにおける売却価格の相場について
「できるだけ高い価格で売却したい」と考える方が多いと思いますが、売却価格だけにこだわるのではなく、相場に見合った適正な価格で売却できるかどうかが重要です。事前に地域の相場を調べるなどして、できるだけ正確な適正価格を把握しておきましょう。
また、悪徳業者にも注意が必要です。悪徳業者は相場よりも低い売却価格での契約を強引に迫ったり、高額な家賃を請求してくるなど、さまざまなトラブルの原因になります。悪徳業者とのトラブルを避けるためにも、正しい相場を知り、信頼できる専門家の意見も取り入れながら、慎重に進めましょう。
土地・建物の売却・活用をお考えなら、あきやの未来へご相談ください
建物や土地のリースバックを検討する際、「本当に適正な価格で売却できるのか?」「契約内容は安心できるものなのか?」といった不安を感じる方も少なくありません。そのような時こそ、地域に密着し、誠実にサポートするあきやの未来(常総・筑西・坂東・桜川・つくば店)にご相談ください。
あきやの未来は茨城県西エリアに根ざし、地域事情に精通し、仲介・買取・空き家管理など幅広いサービスを提供しています。無料相談にも対応しているため、初めての方でも安心してリースバックについてご相談いただけます。
あきやの未来では、柔軟な対応を通じて、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な売却プランをご提案します。
相場より極端に安い契約や高額な家賃設定など、トラブルを未然に防ぐためのアドバイスも行っています。不動産活用に不安を感じた際は、どうぞお気軽にご相談ください。私たちは、安心してお任せいただける地域密着のパートナーです。