リースバックの賃貸借契約で後悔しない!普通借家契約・定期借家契約の違いや契約前に知るべき注意点

2025年6月16日
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リースバックの賃貸借契約には2種類ある!普通借家契約と定期借家契約の違い

リースバックにおける賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2つの契約形態があります。

どちらも自宅を売却後にそのまま住み続けるための賃貸借契約ですが、契約内容には明確な違いがあります。特に、契約期間の更新ができるのかどうか、契約満了後に再契約できるかどうかといった点が、生活に大きく影響します

リースバックは自宅に住み続けたいというニーズから選ばれるサービスのため、どの賃貸借契約を結ぶかは非常に重要なポイントです。この記事では、それぞれの契約形態について詳しく解説します。

リースバックを安心して利用するために、賃貸借契約の違いを正しく理解しておきましょう。

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普通借家契約について

リースバックにおける賃貸借契約の一つである「普通借家契約」は、アパートやマンションなどの賃貸住宅で広く使われている一般的な契約形態です。

普通借家契約では、通常1年~2年程度の契約期間が設定されることが多く、契約期間の満了を迎えたときは借主の意思で更新することができます。貸主は、正当な理由がない限り、契約の終了や更新拒否ができないという法律上の制約があります。また、家賃の値上げも、借主との交渉・合意の上で決定されます。

このように、普通借家契約は借主の居住の安定が保証されやすいため、長期間自宅に住み続けたい人にとってはメリットが大きいと言えます

ただし、後述する「定期借家契約」に比べて、リースバック後の家賃設定がやや高めに設定されることが多いという点がデメリットとなり得ます

賃貸借契約を結ぶ際には、家賃や将来のライフプランも含めて、慎重に検討しましょう。

定期借家契約について

リースバックの賃貸借契約のもう一つ「定期借家契約」は、あらかじめ契約期間を設定し、期間満了と同時に契約も終了する形態です。

定期借家契約では、基本的に契約の更新はなく、期間満了をもって退去となります。つまり、契約が終わればそのまま退去となる可能性が高く、再び住み続けたい場合は、貸主との協議のうえで、新たに賃貸借契約を結ぶ必要があります。貸主の同意が得られないと再契約できず、住み慣れた家を手放さざるを得ないリスクがある点に注意しましょう。

一方で、定期借家契約は、リースバックの家賃が比較的低めに設定される傾向があり、短期的に住むことを前提としてリースバックには適していると言えるでしょう。将来的に引っ越しを予定している方や、一定期間だけ住みたい方には、有効な賃貸借契約の選択肢となります。

長く住みたい人はどちらの賃貸借契約を選ぶべきか?

リースバックを利用して、今の家に長く住みたいと考える方にとって、最適な賃貸借契約は「普通借家契約」です

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普通借家契約は、契約満了後も借主の希望によって更新が可能であり、貸主側も正当な理由がない限り更新を拒否することができません。そのため、リースバックでの居住を継続したい人にとって、安全性の高い契約形態と言えるでしょう。

一方で、定期借家契約は契約終了後の更新が原則としてできないため、長期的に住みたい人には不向きです。仮に再契約できたとしても、賃料が見直されるリスクや、再契約を断られる可能性があります。

リースバックでは「今の住まいで安心して暮らし続けたい」という願いが大きな動機となるため、長期視点で賃貸借契約を選ぶことが非常に重要です。

リースバックの賃貸借契約前に確認すべき3つのポイント

リースバックで賃貸借契約を結ぶ際は、契約形態の選択だけでなく、契約内容の細部までしっかり確認することが大切です。特に、家賃の設定や初期費用、契約期間とその更新条件、そして契約終了後の対応など、見落とされがちなポイントにも注意が必要です

賃貸借契約は一度締結すると簡単には変更できないため、契約書に記載された内容を正確に理解し、納得したうえで契約することが大切です。

また、リースバックでは「住み続けたい」という希望を実現するために、契約終了時の原状回復や、途中解約の条件とリスクについても事前に把握しておくことが不可欠です。

ここからは、賃貸借契約前に確認すべきポイントを解説します。

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1. 家賃設定と支払い負担を理解する

リースバックの家賃は、売却価格期待利回りによって決まります。期待利回りとは、その物件でどのくらいの収益が見込めるかを計算したものです。例えば、物件の売却価格に対し年利7%〜13%の利回りが見込まれる場合、その利回りをもとに年間賃料が算出され、12分割して月額家賃が決定されます。

このようにして算出された家賃は、普通の賃貸借契約より高めになるケースが多く、特に普通借家契約を選んだリースバックでは、家賃がやや割高になる傾向があります。

また、リースバックにおける賃貸借契約では、敷金や火災保険料、家賃保証料といった諸費用も確認が必要です。仲介手数料や礼金が不要な場合もありますが、詳細は契約ごとに異なるため、契約書で支払い項目をすべてチェックするようにしましょう。

リースバックで発生する諸費用については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご参考ください。
リースバックでかかる諸費用の内訳について

2. 契約期間と更新条件を確認する

リースバックの賃貸借契約では、契約期間更新の条件が住み続けられるかどうかのカギを握ります。特に、「普通借家契約」か「定期借家契約」かによって、更新の可能性は大きく変わってくるため、必ず契約形態を確認しておくことが重要です。 前述のとおり、普通借家契約では基本的に更新が可能ですが、定期借家契約の場合は、期間満了で契約が終了します。

また、更新できると記載されていても、実際には借主の行動や契約条件によって更新できないケースもあります。例えば、物件の管理に支障をきたす行為があれば、更新を拒否されることもあります。こうした条件はすべて賃貸借契約書に明記されているため、見落としのないよう、細部までよく読み込みましょう。

3. 原状回復義務や途中解約のリスクも把握する

リースバックに限ったことではありませんが、賃貸借契約を満了(あるいは解約)し、退去する場合には、原状回復義務があります。つまり、住んでいた部屋を可能な限り入居前の状態に戻す必要があります。

また、リースバックでは途中解約のリスクについても理解しておくことが重要です。賃貸借契約の内容によっては、借主からの申し出によって中途解約が可能な場合もありますが、解約条件や違約金の有無なども確認が必要です。

さらに、リースバック業者が倒産した場合などは、物件の所有者が変わり、退去を求められるリスクもあります。こうしたリスクに備えるためにも、経営の安定したリースバック業者を選び、可能であれば、借主の自由度が高い普通借家契約を選んでおくこともポイントです。

リースバックの原状回復義務については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
リースバックにおける原状回復義務はどこまで必要か?

リースバック 賃貸借契約 契約書

リースバックにおける査定から賃貸借契約までの流れとポイント

リースバックを利用するときには、まず自宅の査定からスタートし、その後に売買契約と賃貸借契約を結ぶという流れになります。この一連の流れのなかで、特に重要なのが査定額と家賃のバランスです。査定額が高すぎると家賃が上がり、結果的に住み続けることが難しくなる可能性もあります。

賃貸借契約は一度結んでしまうと変更が難しく、生活に直結するため、リースバックを進める際は、各ステップで丁寧に確認しながら進めることが重要です。

ここからは、査定から賃貸借契約までの流れと、査定額と家賃の関係について詳しく解説します。

リースバック契約の流れ

リースバック利用の流れは以下のとおりです。

  1. 物件の査定
    リースバック業者が物件の立地や築年数、周辺環境などを確認し、売却価格の目安を提示します。
  2. 売買契約の締結
    提示された査定額に納得すれば、リースバック業者と売買契約を締結します。この時点で所有権はリースバック業者へと移転されます
  3. 賃貸借契約の締結
    売却が完了した後は、そのまま住み続けるために賃貸借契約を締結します。リーズバックの賃貸借契約では、普通借家契約か定期借家契約かを選ぶことになり、契約期間や更新条件もこの時点で確定します

各ステップで重要な書類や条件をしっかり確認し、納得したうえで進めることが、後悔しないリースバックにつながります。

査定額と家賃のバランスに注意!

リースバックでは、査定額と賃貸借契約に基づく家賃が密接に関係しています。

基本的に、売却価格が高くなると、それに応じて期待利回りも増加し、毎月の家賃が高く設定される傾向があります。つまり、査定額が高すぎると、後々の賃貸借契約で支払う家賃負担が重くなるリスクがあるのです

一見、高く売却できるほうがお得に思えますが、リースバックは「売っても住み続けたい」人が利用する仕組みです。そのため、無理のない家賃で賃貸借契約を結べるよう、現実的で妥当な査定額を選ぶことが非常に重要です。

業者の言いなりにならず、複数のリースバック業者の査定を比較し、総合的に納得のいくリースバック契約を結びましょう。

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リースバックはメリットだけでなくデメリットも

昨今注目されているリースバックですが、メリットだけでなくデメリットも正しく理解しておくことが非常に重要です。

リースバックのメリット

  • 住み慣れた家を売却しても、そのまま住み続けられる。
  • 売却資金を住宅ローンの返済や老後資金に充てられる。
  • 固定資産税や修繕費などの負担が減る。
  • 将来的に買戻すことができる可能性がある。

リースバックのデメリット

  • 相場よりも買取価格が低くなる傾向がある。
  • 査定額が高すぎると、家賃が想定より高額になる可能性がある。
  • 家賃の支払いが毎月発生する。
  • 賃貸借契約の継続が困難になり、退去を迫られる可能性がある。
  • 買戻しができる場合、その価格は相場よりも高い傾向にある。

以下の記事でも、リースバックのリスクについて詳しく解説していますので、参考になさってください。
リースバックでデメリットを回避する方法について

後悔しないために!リースバックのトラブル事例をご紹介

リースバックを利用する際は、賃貸借契約の内容や将来的なリスクを十分に把握しておくことが重要です。以下はよくあるトラブル事例です。

リースバック 賃貸借契約 トラブル事例

  • 家賃が支払えなくなった

リースバックでは、賃貸借契約で定められた家賃が高額になる場合があり、支払いが困難となり、結果的に退去を迫られるケースもあります。契約前に家賃の支払い計画と契約内容をしっかり確認しましょう

  • 勝手に売却された

リースバック後、物件が第三者に転売され、新たな所有者の判断で賃貸借契約が打ち切られる例もあります。リースバック契約時には、所有権が移っても契約が守られるか確認が必要です

  • 買戻しができない

将来の買戻しを希望しても、賃貸借契約にその取り決めがなかったり、想定外の高額設定になったりするケースがあります。買戻しの具体的な条件を契約に盛り込みましょう

このようなトラブルを回避するためにも、リースバックの仕組みと賃貸借契約の内容を丁寧に理解し、不明点は必ず専門家に相談するようにしましょう。

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