空き家問題が固定資産税にどう影響する?空き家でも税金がかかる仕組みとは
「誰も住んでいないから税金はかからない」と思われがちな空き家ですが、実際には固定資産税の課税対象です。むしろ、空き家問題が深刻化するなかで、空き家の管理状態によって固定資産税の負担が大きく変わるケースが増えています。
空き家であっても、土地や建物の所有者には、原則として固定資産税がかかります。ただし、家屋が適切に管理されていることを前提に、住宅用地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税評価額の最大1/6まで軽減される措置が設けられています。
しかし、建物が適切に利用・管理されていない場合、この特例が解除されることがあります。特に「特定空き家」や「管理不全空家」として指定された場合、固定資産税が最大で6倍に跳ね上がることもあります。これは2023年の法改正で強化された空き家対策の一環で、深刻な空き家問題への対応が背景にあります。
例えば、特例が適用されて年額6万円の固定資産税が、解除後に36万円へと増額される可能性もあります。
空き家を放置しておくことで、かえって大きなコストが発生するという点に注意が必要です。空き家問題と固定資産税の関係を正しく理解し、損をしないように備えておきましょう。
空き家問題に対する法律改正のポイント
2023年12月に施行された「改正空き家対策特別措置法」は、深刻化する空き家問題への対応をより強化する内容となっています。
この改正では、従来の「特定空き家」に加え、「管理不全空家」という分類が新設されました。空き家問題の未然防止を目的としたこの仕組みにより、自治体は建物の老朽化が進んだ段階でも、早期に指導や勧告を行えるようになっています。
「管理不全空家」は、外観や衛生状態が悪化し、周辺環境に悪影響を与えるおそれがある物件のことをいいます。この段階での対応が可能になることで、空き家問題を深刻化させずに食い止めることが期待されます。
一方、「特定空き家」に指定された場合、改善命令や行政代執行の対象となる可能性があります。さらに、固定資産税の軽減措置である「住宅用地の特例」が外れるため、固定資産税の税額が通常の最大6倍に増加することもあります。つまり、放置すればするほど固定資産税の負担が膨らむということです。
この法改正は、単なる規制強化にとどまらず、空き家問題の解決を地域全体で促す仕組みでもあります。不要な固定資産税の増税を避けるためにも、所有者は早期の対応と現状把握が欠かせません。
「特定空き家」と「管理不全空家」の判断基準は?
空き家問題の重要ポイントとなる「特定空き家」と「管理不全空家」は、どのように区別されるのでしょうか。
繰り返しになりますが、「管理不全空家」は、外観や衛生状態が悪化し、周辺環境に悪影響を与えるおそれがある物件のことをいいます。
一方、「特定空き家」は、倒壊の危険や火災の危険性が高い、あるいは衛生上著しく問題のある物件を指します。従わなければ、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が急増することもあります。具体的には、①指定、②助言・指導、③勧告、④命令、⑤行政代執行という段階を経て、最終的には税額が最大6倍になることもあります。
空家対策特別措置法の内容とその影響について、以下の記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
空き家を放置して罰則を受けないための3つの対策をご紹介!
このように、固定資産税の優遇を維持するには、継続的な管理と情報収集が欠かせないのです。
最大6倍に? 固定資産税の仕組みについて
放置された空き家に対する固定資産税が「最大6倍」に跳ね上がる仕組みはどのようになっているのでしょうか。
用地の種類 | 固定資産税 (課税標準 × 税率) |
都市計画税 (課税標準 × 税率) |
備考 |
小規模住宅用地 (200㎡以下) |
課税標準 × 1/6 × 1.4% = 0.233% | 課税標準 × 1/3 × 0.3% = 0.1% | 特例措置により大幅軽減 |
一般住宅用地 (200㎡超部分) |
課税標準 × 1/3 × 1.4% = 0.467% | 課税標準 × 2/3 × 0.3% = 0.2% | 200㎡を超えた部分のみが対象 |
更地(特例なし) | 課税標準 × 1.4% = 1.4% | 課税標準 × 0.3% = 0.3% | 空き家が「特定空き家」等に指定されると適用除外に |
上記のように、住宅が建っている土地は税負担が軽くなる仕組みになっており、小規模住宅用地では課税標準が1/6、一般住宅用地では1/3に軽減されます。しかし、建物がなくなった更地や「特定空き家」に指定された物件では、この優遇措置が外れてしまいます。
空き家問題への対応を怠ると、こうした軽減措置を失い、固定資産税の負担が急増する恐れがあるため、早めの対策を講じることが重要です。
空き家問題で固定資産税を軽減する対策を3つご紹介!
使わないまま放置された空き家が、思わぬコスト増につながることをご理解いただけたかと思います。
空き家問題に直面している場合、固定資産税の軽減措置が受けられなくなり、税額が大幅に増えるリスクがあります。無駄な出費を避けるためには、空き家の有効活用など適切な対処を講じる必要があります。
ここでは、空き家問題による固定資産税の負担を減らすために有効な3つの対策をご紹介します。
- 売却する
- 賃貸に出す
- 業者に買い取ってもらう
ご自分に合った方法を見つけるための第一歩として、空き家問題の参考になさってください。
【対策1】売却する
空き家を売却することは、空き家問題の解決だけでなく、固定資産税の軽減にもつながる有効な手段です。
空き家を所有し続けると、管理の手間や修繕費がかかるだけでなく、「特定空き家」に指定された場合、固定資産税の特例が外れて税額が大幅に増えるリスクがあります。しかし、売却により、こうした固定資産税の負担から解放されるとともに、現金を手に入れることができ、空き家問題を解決することができます。
さらに、売却時には条件を満たすことで、最大3,000万円の譲渡所得の特別控除を受けられる可能性もあり、税制上のメリットも期待できます。
しかし、売却にはいくつかの注意点もあります。物件の立地や建物の状態によっては、思うように売却が進まない場合があるため、早期に売却を決断し、不動産会社などの専門家に相談することが重要です。また、売却には譲渡所得税や不動産仲介手数料などの費用もかかることも覚えておきましょう。
【対策2】賃貸に出す
空き家問題の解決策として、賃貸物件として活用する方法があります。
この方法では、固定資産税の住宅用地特例を維持しながら、安定した家賃収入を得ることが可能です。
しかし、賃貸の収益性は、立地や物件の状態に大きく依存します。特に、リフォームが必要な場合、初期投資がかかることを考慮し、事前の市場調査や収支計画が重要となります。
加えて、入居者との契約や管理業務が発生するため、管理業務を代行してくれる専門業者の活用も選択肢に入れておくと安心です。
安定した収入源を確保できる一方で、管理や法的責任が伴うため、空き家問題を早期に解決したいと思っていても、慎重に検討することが大切です。
【対策3】業者に買い取ってもらう
もし、空き家の売却が難しい場合や、すぐに現金化したい場合には、空き家問題を解決するために空き家専門の買取業者を利用する方法もあります。
この方法の最大の利点は、手続きがスピーディーで、現況のまま引き取ってもらえる点です。これにより、固定資産税の負担から早期に解放されるとともに、管理や維持の手間を大幅に減らすことができるので、空き家問題を早期に解決することができます。
もちろん、一般的な売却よりも価格が下がることが多いものの、特に遠方に住んでいる所有者や相続したばかりの物件に関しては、スムーズに処理できる有効な選択肢となります。買取業者による取引では、状態に関わらず引き取り可能なため、早急に現金化を望む人にとっては理想的な方法です。
あきやの未来(常総・筑西・坂東・桜川・つくば店)では、空き家の買取も行っております。空き家問題に直面している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
あきやの未来では空き家の管理も承ります!
空き家問題は、近年深刻化しており、放置された空き家が増えることで地域社会への影響も広がっています。特に、管理不全に陥った空き家は、「特定空き家」や「管理不全空家」として指定され、固定資産税の増加や維持費用の負担が大きくなる可能性があります。そのような状況を避けるために、適切な管理が不可欠です。
あきやの未来では、空き家の定期巡回や清掃など、空き家を安全に維持するための管理サービスも提供しています。このサービスにより、遠方にお住まいの方や時間が取れない方でも、手間なく空き家を管理でき、固定資産税の負担を軽減することが可能です。
また、管理が行き届いた空き家は、将来的な売却や賃貸に向けても有利な条件となり、空き家問題を効果的に解決する手助けとなります。
空き家の管理にお困りの方は、どうぞお気軽にあきやの未来へご相談ください。
空き家問題でお困りの方は、あきやの未来にお任せください!
空き家問題は、放置されることによって、周囲の環境に悪影響を与えるだけでなく、固定資産税の負担が大きくなる原因にもなります。
もし、空き家問題でお困りであれば、あきやの未来(常総・筑西・坂東・桜川・つくば店)へご相談ください。
売却、買取、管理といった各分野でトータルサポートをご提供し、専門知識を持ったスタッフが、現状診断から最適なアドバイスまでを丁寧に行います。早めに対処することで、空き家問題を解決し、固定資産税の増加を防ぐことができます。
空き家に関するあらゆるお悩みに対応し、最適な解決策をご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。空き家問題を一緒に解決していきましょう。