不動産売却時の消費税はかかる?課税対象の場合や注意点をご紹介します

2025年1月27日

不動産売却時の消費税

不動産売却時の消費税はかかる?課税される対象を解説

不動産売却時の消費税はかかるのでしょうか。不動産売却時の消費税が課税される対象について解説します。

消費税は商品やサービスに対して課税される税金である間接税のため、不動産売却時の消費税も、商品とサービスに対して課税されます。

不動産売却時は、事業者が事業目的で行う取引、対価を得て行う取引、資産の譲渡といった場合に消費税が課税されます。

事業者が事業目的で行う取引とは、不動産会社などの事業者がお金を対価として得て、資産の譲渡を継続して独立しながら行うことが挙げられます。

また、直接税金を納めるのではなく、商品の販売先が徴収する形式です。

個人で不動産売却時の消費税が課税される場合は?

個人で不動産売却時の消費税が課税される場合を見ていきましょう。

不動産会社は課税事業者です。仲介手数料、融資を受けた場合の一括繰上げ返済による手数料、抵当権抹消登記を依頼した場合の報酬といったものに不動産売却時の消費税が課税されます。

また、土地と建物の関係や、住宅ローン残債があるかどうか、投資用不動産の売却かどうかでも消費税の扱いが変わってきます。

このように、ケースによって異なる不動産売却時の消費税について解説します。

仲介手数料や抵当権抹消登記を依頼した場合

不動産売却時の消費税は、仲介を依頼して売却活動を行ってもらうための仲介手数料に課税されます。

  • 売買価格が200万円以下の場合、5パーセントと消費税
  • 売買価格が200万円以上の場合、400万円以下の場合、4パーセントと2万円と消費税
  • 売買価格が400万円以上の場合、3パーセントと6万円と消費税

仲介手数料の上限はあくまで上限の金額となります。仲介手数料は、消費税を抜いた物件価格に対して課税されます。金額の交渉は契約前に行うようにしましょう。

住宅ローンの抵当権を抹消や、所有権を売主から買主などへ移転する際に司法書士に依頼するとします。この場合、司法書士へ依頼する際の費用は消費税込みで算出されます。

そのため増税すると、この金額が増えるように感じますよね。

土地と建物の消費税の取り扱いについて

不動産売却時の消費税は、個人対個人の取引や売主が不動産会社といった法人であっても土地だけの場合は非課税ですが、建物があると課税されてしまいます。

家やマンションは固定資産ですが、土地は固定資産ではありません。土地は持ち主が変わることで権利が移り変わるとものと考えられており、築年数が経つにつれて土地の価値が目減りしていきます。これは建物は所有物ですが、土地は線引きをして権利を分けたという経緯があるからです。

建物があっても、土地と抱き合わせた形のものだと不動産売却時の消費税が非課税になります。

一方、土地の売却においても消費税の課税対象になってしまう場合があるでしょう。これは土地に事業用設備が設置されている場合になります。土地の上に人工の設備が存在し、収益を生んでいる場合は課税対象です。

具体的には以下のものが挙げられます。

  • コインロッカー
  • 自動販売機
  • テナント
  • 駐車場

駐車場の場合は土地を丸ごと舗装していることで、事業目的になるので課税対象になります。

また借地権という、地代を支払った上で土地を借りる権利があります。アクセスの良い土地を借り店舗を地代を払いながら運営できますが、この場合は消費税は非課税になります。

住宅ローン残債がある場合や投資用不動産の売却における消費税の課税

不動産を購入した際、金融機関から融資を受けている場合かつ売却時に残債がある場合には住宅ローンの残債を完済しないと不動産を売却できません。住宅ローンを一括で繰り上げて返済する際には消費税がかかってきます。

個人が売却をしたとしても、投資用の不動産には消費税が課されるでしょう。

居住用の不動産の売却はネガティブな理由で行われることもありますが、投資の場合は単純な利益追求の意味合いが強いです。そのため、居住用の優遇的非課税の対象からは外れてしまいます。投資を行う際にも税金の観点から見つめるようにしましょう。

法人が駐車場や社員寮を所有していたとしても、それ自体が収益を目的にしたものなので課税の対象となってしまいます。

法人が主体となる場合は、このように税金がかかります。税務上の取引がややこしいので、税金の仕分けには注意を払いましょう。

不動産売却時の消費税の注意点

不動産売却時の消費税に関して注意するべき点を見ていきましょう。

まず、不動産価格は税込みで表示されるということです。不動産価格は、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」というものにおいて消費税も含めて表示するようになっています。

上記で説明した仲介手数料は、税抜き価格に対してかかってきます。不動産価格は税込み表示である一方、仲介手数料を計算する際には、税抜き価格がベースとなっていることに注意しましょう。

他にも不動産の引き渡し時に消費税が課税されます。消費税率が変更されるような場合には、厳密に変更前か変更後なのかで税率が変わってきます。

不動産売却時の消費税は取引額が高いので、少しの税率の変化でも差分が大きくなってきます。何に課税されるのか。これを正確に認識することで、正確な金額を求めましょう。

売却不動産の状況によって異なる消費税

不動産売却時の消費税は、商品とサービスに対して課税される点や、売却時の不動産の状況によって異なる点をお伝えしました。

仲介手数料は消費税を抜いた物件価格に課税されます。

不動産売却が土地のみの場合は消費税は非課税ですが、建物があると課税されます。また、事業用設備が設置された土地や投資用不動産の売却には消費税が課税され、法人所有の駐車場や社員寮も対象です。

住宅ローンの残債を完済しないと売却できず、消費税がかかります。

不動産売却時の消費税は取引額が高いため、税率変更に注意が必要です。

「建物があるのか」、「土地だけなのか」によっても異なりますし、個人用・事業用といった観点でも異なってきます。何を売却しようとしているのかであったり、細かい用件を確認した上で事柄を進めていきましょう。