不動産売却による税金はいくら?種類や計算方法・節税対策を徹底解説!

2024年1月29日

不動産売却による税金

不動産売却による税金は3種類ある

不動産売却による税金は3種類で、印紙税、譲渡所得税、そして住民税です。それぞれ、どのような税金なのでしょうか。
印紙税は、不動産の売買契約書を作成した場合にかかる税金です。譲渡所得税は、不動産を売却した際に得た利益に課される税金です。
住民税も、利益が発生した譲渡所得に課される税金です。それぞれ売買契約時に異なる方法で課税され、支払わなくてはなりません。

ここでは、これらの不動産売却による税金について、さらに詳しく解説しますので、参考にしてください。
※本記事は2020年6月時点での内容をもとに執筆しております。

不動産売却による税金①印紙税

不動産売却による税金の印紙税は、契約書を作成した場合に、印紙税法に基づきその文書にかかる税金です。
不動産売買に関わらず、契約書作成時の税金のため、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。不動産売却による税金の場合は、売主と買主が売買契約書を所有するため、基本的にそれぞれが印紙税を負担します。平成26年から令和4年までの間に作成される契約書には、軽減税率が適用されます。
例えば、契約金額が1千万〜5千万の場合は1万円の印紙税がかかります。契約金額によって印紙税の額は左右されるため、注意しましょう。

不動産売却による税金②譲渡所得税

不動産売却による税金の譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)は、売却時にかかる税金です。
不動産を売却して得た利益(譲渡所得)にかかる税金のため、利益が発生した場合のみ、納める必要がある点に注意してください。発生した利益(譲渡所得)はどのように計算すればよいのでしょうか。それは、売却金額(譲渡価値)から購入金額(取得費)と売却にかかった経費(譲渡費用)を差し引くことです。そして、求めた利益(譲渡所得)から特別控除を差し引いた額が譲渡所得税です。

不動産売却による税金③住民税

不動産売却による税金の住民税も、譲渡所得に課される税金です。
個人が所在地の自治体に支払う税金で、所得に応じて徴収されます。そのため、譲渡所得税と同じく、利益が発生した場合に納税します。
税率は、所有期間によって5パーセントか9パーセントに分けられる点に注意してください。所有期間が5年以下の場合は9パーセント、5年越えの場合は5パーセントです。
税法や税制は変更されることがあるため、計算される際は、最新の情報を確認するようにしてください。

住民税は所有期間により税率が変わる

住民税は所有期間により税率が変わります。これまで解説した譲渡所得に税率を乗算すれば、不動産売却による税金の税額を求められます。
先ほど紹介したように、不動産の所有期間によって変動します。ぜひご自身の所有期間を計算してみてください。

売却した年の1月1日時点で所有期間が5年越えの場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合「短期譲渡所得」です。
5年越えの場合は所得税が15パーセントと住民税が5パーセントの合計20パーセントです。
5年以下の場合は所得税が30パーセントと住民税が9パーセントの合計39パーセントです。
5年を越すか越さないかで、不動産売却による税金が2倍近く違いがありますよね。

所有期間が5年を迎えそうな方は、税理士に相談するか、売却を少し待った方が良いかもしれません。売却のタイミングにお困りの方がいらっしゃいましたら、判断基準の1つにすると良いかもしれませんね。

不動産売却による税金を減らすためには

不動産売却による税金を減らすためにはどのような対策をとればよいのでしょうか?
ここまでで不動産売却による税金には3種類の税金がかかること、そして住民税は所有期間により税額が変わることについてお分かりいただけたと思います。不動産売却による税金は課税される金額が大きくなるほど、支払う金額も大きくなってしまいます。だからこそ、事前に税金について予習しておくことが大事になります。また、不動産売却による税金について予習する際は、節税についても知っておくとより良い売却活動が行えるでしょう。

そもそも、不動産売却による税金を減らすことはできるのでしょうか。
結論から申し上げますと、可能です。しかし、減らすことが可能な不動産売却による税金は、譲渡所得税に関わる税金のみになります。前述した譲渡所得税以外の税金である印紙税は、最初から税額が決まっているので節税することはできません。では、不動産売却による税金の負担を減らすためには、具体的にどのようなことに注意すれば良いのか3点ご説明します。

所有期間が5年を超えてから売却する

1つ目の注意点は、所有期間が5年を超えてから売却することです。
これについては、前の項目の「住民税は所有期間により税額が変わる」でご紹介しました。
売却が行われた年の1月1日時点での所有期間が5年以上の場合は「長期譲渡所得」、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」とされます。所有期間により税率が変わるため、売却を少し待つことで住民税の節税につながると覚えておくと良いでしょう。とはいっても、早急に売却しなければならない場合は、無理に5年待つ必要はありません。

使える控除や特例がないか調べてみる

2つ目の注意点は、使える控除や特例がないか調べてみることです。
不動産売却による税金の譲渡所得税には、条件を満たすと控除や特例を受けることができます。例えば、売却物件が居住用財産の場合に認められる3千万円の特別控除や住宅ローン減税、10年以上居住したマイホームを売却する際に適用される軽減税率が挙げられます。実際に、特別控除の対象となるケースも多くあるので、それぞれの条件に当てはまるか一度調べてみると良いでしょう。

取得費と譲渡経費をしっかりと把握しておく

3つ目の注意点は、取得費と譲渡経費をしっかりと把握しておくことです。
不動産売却の譲渡所得税を節税するためには、やはり課税される金額を明確にすることが重要になります。もし、所得や譲渡経費、諸経費が曖昧であったり、記入漏れがあったりすると、課税譲渡所得税金額が高くなるでしょう。そうすると、課税される金額が上がってしまうのです。

また、他の方法で不動産売却による税金を減らすことができても、所得費が分からないと税額が適正化できなくなります。つまり、所得費をしっかりと把握し明確にしておくことは、節税をするうえで重要なポイントになることが分かるでしょう。
同様に、譲渡経費の記入漏れがないように注意してください。譲渡に関する費用を支払った際に受け取った領収書などは、紛失しないように管理しておきましょう。

不動産売却による税金を確認しておくことが大事

不動産売却による税金を確認しておくことが大事である旨をご紹介しました。不動産売却時にかかる3種類の税金について、ご理解いただけたと思います。
本記事を参考に、税金を支払った後手元に残る金額をシミュレーションするのをおすすめします。税金は複雑で、ご不明点がある方もいらっしゃいますよね。お困りごとがありましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。