親の土地に家を建てると住宅ローンは借りられる?
親の土地に家を建てる際に住宅ローンは借りられるのか、気になっている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
一般的に、親の土地に家を建てる際、住宅ローンを借りることは可能です。
ただし、住宅ローンを利用して親の土地に家を建てるという選択には、いくつかの注意点があります。その中でも特に重要なことは、住宅ローンの条件や名義変更、税金の取り扱いです。
将来的なトラブルを回避できるよう、これらの問題を事前に明確にしておくことで、安心して家を建てることができるでしょう。
この記事では、親の土地に家を建てる際の住宅ローンの注意点や名義変更、固定資産税などの税金の扱いに関して解説します。これから住宅ローンを利用して親の土地に家を建てることを検討されている人は、ぜひご覧ください。
親の土地に家を建てる場合の住宅ローンについて【注意点】
親の土地に家を建てる場合、住宅ローンを利用したいと考えている人は多いでしょう。この場合、住宅ローンの対象は家のみですので、住宅ローンの借入額を抑えることができるというメリットがあります。また、住宅ローンの借入額が抑えられることで、精神的な負担も軽減できると思います。
ただし、親の土地に家を建てる場合の住宅ローンは、一般的な住宅ローンとは扱いが異なりますので注意が必要です。
例えば、金融機関は住宅ローンの審査時に、土地の所有者である親と合意が取れているか、親子の関係性などを確認します。ほかにも、万が一住宅ローンの返済ができなくなった場合の扱いなど、審査において一般的な住宅ローンよりも確認事項が多くなるでしょう。
住宅ローンを利用する際は、金融機関からの借入れ条件を事前に把握しておくことが非常に重要です。
ここからは、親の土地に家を建てる際の、住宅ローンの注意点について解説します。
親の土地を担保に入れられるかどうか確認する
親の土地に家を建てる場合、その土地を住宅ローンの担保に入れることが一般的です。
しかし、その土地がすでに別の担保に設定されている場合、金融機関が融資した資金を回収できなくなるおそれがあるため、住宅ローンの審査が通らない可能性が高くなります。そのため、まずは親の土地が別の担保に設定されていないか確認しておきましょう。
そして、親の土地を担保に入れた場合でも、子が住宅ローンを返済できなくなったときに、親の土地を売却しなければならないことがあります。この点についても、住宅ローンを利用して家を建てる際には、事前に家族間でしっかり検討する必要があります。
親が連帯保証人になることもある
住宅ローン利用して親の土地に家を建てる場合、住宅ローンの返済に対する更なる保証として、金融機関が親に連帯責任を求めることがあります。これは、親に一定の責任を負ってもらうことを意味しています。
親が連帯保証人になるということは、住宅ローンの返済が滞った際に親も借入金の返済義務を負うということですので、大きな責任が伴うのです。
親がこの役割を引き受ける際には、ことの重大さをしっかり理解しておくことが非常に大切です。家を建てる際に住宅ローンを検討するのであれば、親の経済状況を慎重に考慮し、家族間で十分話し合いを行い、納得のいく決断をしましょう。
住宅ローンの返済ができないと、土地の売却や家が差し押さえられることも
前述のとおり、住宅ローンの返済が困難になった場合には、親が住宅ローンの返済を負担しなければならなくなります。それだけでなく、場合によっては、親の土地を売却しなければならなかったり、親の土地やせっかく建てた家が差し押さえられたりする可能性もあります。
幸せな生活を夢見て家を建てたのにも関わらず、結果的に土地や家を手放さなければならなくなったとしたら、とても悲しいことです。
以上のように、住宅ローンを利用して家を建てる際には、さまざまな注意点があります。
親の土地に家を建てる際には、一般の住宅ローンの審査よりも厳しい条件が課せられますので、これらのポイントを念頭に置きながら、住宅ローンを検討している金融機関への相談や、家族間での話し合いを十分行いましょう。
親の土地に家を建てる場合の名義変更は?
親の土地に家を建てる場合、名義変更のタイミングは特に注意が必要です。
家を建てた後、住宅ローンの返済が終わるまでは、土地や家の名義を変更できなくなりますので、十分ご注意ください。
名義変更は相続や贈与に関わる重要な法的手続きですので、個人で判断するには難しいこともあるかと思います。不明点がある場合には、司法書士や不動産に詳しい弁護士、税理士などの専門家のアドバイスを受けることも一つの手です。
将来的に相続などでのトラブルを回避するためにも、親の土地に家を建てる際には、住宅ローンだけでなく、名義変更についても家族間でしっかり話し合っておきましょう。
親の土地に家を建てると固定資産税などの税金はどうなる?
親の土地に家を建てる際、固定資産税など税金の扱いもしっかり考慮に入れることで、節税につながる可能性があります。
一般的に、税金の扱いは非常に難しいものですが、親の土地に家を建てる場合はさらに複雑になります。将来的なトラブルを避けるためにも、事前に税理士や税務署などの専門家から適切なアドバイスを得ながら検討すると良いでしょう。
家を建てる際には、その土地の利用ケースにより税金の扱いが異なります。
- 無償で親の土地を使う場合
- 有償(地代・権利金)で親の土地を使う場合
- 親の土地を譲り受ける場合
発生する税金 | 固定資産税 | |
親の土地を無償で使う場合 | 相続税(子) | 土地:親 建物:子 |
親の土地を有償で使う場合
①地代のみ支払う |
贈与税(子) | 土地:親 建物:子 |
親の土地を有償で使う場合
②地代と権利金を支払う |
所得税(親) 相続税(子) |
土地:親 建物:子 |
親の土地を譲り受ける場合 | 贈与税(子) 不動産取得税(子) |
土地:子 建物:子 |
ここからは、土地の利用ケース別に税金の扱いについて詳しく解説します。
無償で親の土地を使う場合
親の土地を無償で使用することを、使用貸借といいます。この使用賃借は、個人間でのみ利用できる形態で、信頼できる間柄で結ばれることがほとんどです。
子にはお金の負担が発生しませんが、無償で使わせてもらっている子の権利はとても弱くなります。そのため、子の権利に価値がないことから、贈与税も発生しません。
ただし、親の相続時には相続税が発生します。また、その場合、土地の評価額は借地権ではなく自用地として計算することになりますので、土地の評価額を下げることができない点にも注意が必要です。
固定資産税については、土地は親が支払い、建物は子が支払います。
このケースにおいて重要なのは、家を建てる際に家族であっても口約束ではなくしっかり書面に残しておくことです。曖昧な状態にしておくと、相続の際にトラブルにつながる可能性が高くなるでしょう。
有償で親の土地を使う場合
親の土地に地代や権利金を支払って使用することを賃貸借といいます。この場合、子には「借地権」という権利が発生し、子は借地権で守られることになります。
親の土地に家を建てる際にポイントになるのが、子から親に対して何を支払うかです。それによって税金の扱いが変わります。
- 地代だけを支払う場合
この場合、支払っていない権利金相当額について親が贈与したと見なされるため、贈与税が発生する可能性があります。
ただし、近隣の賃料相場よりも低い金額で地代が設定され、かつ固定資産税程度の範囲内であれば、それは使用貸借と見なされ、贈与税はかかりません。
固定資産税については、土地は親が支払い、建物は子が支払います。
- 地代と権利金の両方を支払う場合
地代と権利金の両方を支払っているため、子に贈与税は発生しませんが、地代と権利金の金額が親の相続時に発生する相続税評価額に影響します。
また、子から親に権利金と地代が支払われると、親に所得が生じることになりますので、親には所得税が課されます。
固定資産税については、土地は親が支払い、建物は子が支払います。
親の土地を譲り受ける場合
親から土地を譲り受ける場合は、土地の相場価格を親が贈与したと見なされ、土地の評価額が110万円を超える場合に超過金額に対し、子に贈与税が課せられます。
「相続時精算課税制度」を利用すれば贈与税がかかりませんが、親の相続時には相続税が発生します。
さらに、土地の取得により「不動産取得税」が発生することも覚えておきましょう。
固定資産税については、土地・建物ともに子が支払います。
これらの点を考慮したうえで、家を建てる際にはどのケースが最も適しているか、しっかり話し合いましょう。
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不動産の扱いにお困りの場合は、あきやの未来(常総店・筑西店・坂東店・桜川店・つくば店)にご相談ください。
今回の記事では、親の土地に家を建てる際の住宅ローンの注意点や名義変更、固定資産税などの税金の扱いについて解説しました。
住宅ローンを利用して親の土地に家を建てる場合は、さまざまな注意点があります。それらの注意点を考慮しながら将来を見据えた計画を立て、家族全員が納得のいく方法で家を建てることが最も大切です。
あきやの未来は地域密着の不動産会社ですので、家族間での不動産の取り扱いに関して実績が豊富です。豊富な知識と経験でお役に立てる自信があります。
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