親の家に住むと相続税はかかる?相続における重要ポイントや相続税がかかるか確認する方法について解説します
親の家に住むと、親が亡くなったときに相続税がかかるのか、気になるところです。
亡くなった親の家の扱いには、親と同居していた子がそのまま住む場合や、親が亡くなってから親が住んでいた家に移り住む場合、あるいは引っ越さないものの親の家を相続して所有する場合など、さまざまなケースが考えられます。
相続税は遺産の総額や法定相続人の数、そして親の家に住むかどうかによっても異なります。また、相続税を軽減できる特例制度もあり、最終的に税金がかかるケースとかからないケースがあります。
この記事では、亡くなった親の家に住む場合の相続税の重要なポイントや相続税の算出方法、そして減税できる特例制度について解説しますので、ぜひご参考ください。
親の家の相続税における重要な3つのポイント
親の家の相続において、重要なポイントが3つあります。
親の家に住むかどうかに関わらず、親の遺産がある場合は相続税が発生する可能性があります。しかし、必ずしも相続税が発生するとは限りません。親の家に住む場合や住まない場合で相続税の額が異なることがありますので、事前に確認しておくことが大切です。
相続税の計算は複雑で面倒に思われるかと思いますが、あらかじめ相続税の仕組みをしっかり理解しておくことで、スムーズに相続税の問題を解決することができるでしょう。
ここからは、親の家に住む場合を含めた相続税における重要な3つのポイントを詳しくご説明します。
1. 親の家だけで相続税を評価しない
相続税を算出するときは、親の家だけでなく、預貯金や土地などすべての遺産の評価額を合計して算出するのが基本です。
親の家に住むかどうかに関わらず、遺産全体の評価額が相続税の課税対象となり、その総額に基づいて相続税が算出されます。
親の家、つまり土地や建物という不動産は高額なため、遺産の中でも大きな割合を占めることになります。したがって、親の家に住む場合でも住まない場合でも、不動産の評価額を算出すれば、相続税の目安を知ることができるでしょう。
2. 誰が相続人か確定する
親の家を相続する場合、まずは誰が相続人となるかを明確に決める必要があります。
相続人が複数いる場合、特に親の家に住むことを希望する相続人がいる場合は、その取り決めが非常に重要になります。また、遺言があれば、それに従うことも重要なポイントとなります。遺言がない場合は、民法に従って相続人を決定します。
配偶者は常に法定相続人として権利を持ち、次の順位で相続権が優先されます。
- 第一順位:被相続人(親)の子ども(直系卑属)
- 第二順位:被相続人の親(直系尊属)
- 第三順位:被相続人の兄弟姉妹
相続人間で争いが起こらないように協議し、親の家を誰が相続するか、誰が住むのかなどを早めに決めましょう。
特に、兄弟間でのトラブルには注意が必要です。以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
親の土地を含めた相続における兄弟間の注意点
3. 相続税がかからないこともある
親から遺産を相続したら、必ず相続税がかかるわけではありません。
相続税には「基礎控除額」というものがあります。相続人の数を確認するのは、この基礎控除額の算出に必要なためです。親の家に住む相続人も、まずはこの基礎控除額を確認することが重要です。
基礎控除額は、次の計算式で算出します。
【基礎控除額=3,000万円+(600万円×相続人の数)】
親の家を含めたすべての遺産の評価額がこの基礎控除額を超えない場合、相続税はかかりません。
親の家に住む相続人であっても、最終的に相続税がかからない場合がありますので、この仕組みをしっかり理解することが大切です。
相続税がかかるか確認する方法をご紹介
亡くなった親の家に住む場合、相続税がどのようにかかるのか気になる方も多いでしょう。
相続税が発生するかどうかは、まず相続する権利を持つ人が誰か、遺産にはどのようなものがあるのか、誰がどの財産を引き継ぐのかといった詳細を決定する必要があります。親の家に住むことができるかどうかも、相続人間での協議で決まるものです。そのうえで、相続する遺産に応じた税金が相続税として発生します。
親の家に住む相続人の場合、その家に住むことが相続税の計算にどう影響するのかを確認することも重要です。
ここからは、相続税がかかるか確認する手順を詳しくご説明します。
法定相続人を決定する
親が亡くなった後、その家に住み続けるかどうかを決めるためには、法定相続人を決定することが重要です。法定相続人とは、遺産を法的に受け取る権利がある人のことです。親の家に住む相続人がいる場合、その取り決めを明確にするためにも、法定相続人を確定する必要があります。
相続税の基礎控除額は法定相続人の数によって異なるため、誰が相続人に該当するのかを確認することが最初のステップとなります。
まず、遺言書の有無を確認しましょう。遺言書があれば、その内容に従って相続人を決定します。遺言書がない場合は、民法に従って相続人を決定します。相続人の決定方法は前述のとおりです。
すべての相続財産を把握する
相続税を計算するためには、親の家だけでなく、預貯金や株式などすべての遺産を把握する必要があります。
親が所有する不動産、つまり家や土地だけでなく、預貯金や株式などのプラスの財産や、債務や葬儀費用などのマイナスの財産を含め、すべての遺産を洗い出さなければなりません。親の家に住む場合、その家の評価額は相続税の計算に大きな影響を与えるため、特に注意が必要です。
ただし、すべての遺産が相続税の課税対象となるわけではなく、すべての財産からマイナスの財産を差し引いた評価額が対象となります。遺産には高額な不動産だけでなく、細かな金融資産やその他の財産が含まれていることも多いため、正確に把握し、漏れのないようにすることが大切です。
遺産分割協議を行う
遺産をすべて洗い出したら、次に相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がどの財産を引き継ぐかを決める必要があります。この協議で決定した取り分に応じて、相続税が決まります。
親の家に住むためには、その家を相続しなければなりません。そのため、誰が親の家を相続するのか話し合い、合意を得る必要があります。親の家に住む相続人が決まれば、その後の相続税の計算にも影響を与えます。
遺産分割協議が難航する場合、家庭裁判所に調停を申し立てることもあります。調停では、相続人間での合意が難しい場合に、家庭裁判所が結論を示すことになります。この場合、相続税の決定も裁判所の審判を待つこととなり、時間がかかる可能性があるため、できるだけ早めに協議を進めることが大切です。
親の家に住むために、遺産分割協議を円滑に進めましょう。
相続税がかかるか計算する
遺産分割協議が終わった後は、相続税の計算を行います。
相続税は、すべての相続財産の評価額から基礎控除額を差し引いて算出します。
前述のとおり、基礎控除は【3,000万円+(600万円×相続人の数)】という計算式で算出しますので、相続人の数に応じて基礎控除額が変動します。これは、親の家に住む・住まない、親の家を相続する・放棄するに関係なく、共通の計算式です。
その後、遺産分割協議の結果に基づいて遺産を分割し、相続人ごとに相続税を計算します。親の家に住む相続人の場合、その家の評価額が相続税の計算に影響を与えるため、特に注意が必要です。また、配偶者や未成年者にはさらに控除制度が適用できる場合もあります。
自分で計算する場合は、国税庁のサイトを参考にして計算できますが、より正確な計算を希望する場合は、税理士などの専門家に相談するのが確実です。
減税に活用できる「小規模宅地等の特例」について
親の家の相続に活用できる「小規模宅地等の特例」は、相続税の負担を大幅に軽減できる重要な特例制度です。
この特例制度は、一定の要件を満たす宅地等に対して、最大80%まで評価額を下げることができるものです。親と同居していた子などが、相続によって負担がかかることなく、生活を続けることができるよう配慮されています。
ただし、前述のとおり、この特例制度を適用するには一定の要件があり、重要なのは「親と同居していたこと」と「相続後もその家に住み続けること」です。親の家に住む場合、この特例をうまく利用することで相続税を軽減できます。親の家に住む相続人はこの特例制度をしっかり理解し、利用できるかどうかを検討することが重要です。
亡くなった親の家の扱いでお困りでしたら、あきやの未来にご相談ください
亡くなった親の家の扱いにお困りでしたら、あきやの未来(常総店・筑西店・坂東店・桜川店・つくば店)にご相談ください。
今回の記事では、亡くなった親の家に住む場合の相続税の重要ポイントや税金の仕組みについて解説しました。親の家に住むことで発生する相続税の計算は複雑になるケースが多く、自分では対処できない場合もありますので、税理士などの専門家に依頼すると安心です。
また、亡くなった親の家に住む場合でも、将来的に親の家を手放すときが来るかもしれません。そのようなときは、あきやの未来にお任せください。あきやの未来は、仲介による売却だけでなく、買取や空き家の管理まで対応しています。
売却だけでなく、家の扱いでお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。