持ち家をリースバックすると家賃はいくらになる?家賃の仕組みや相場、失敗しない契約のコツをご紹介

2025年6月25日
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持ち家のリースバックの家賃はどう決まる?その仕組みとは

「持ち家をリースバックしたら、家賃はいくらになるの?」
これは、多くの人が最初に気になるポイントではないでしょうか。

リースバックでは、持ち家を業者に売却し、そのまま賃貸契約を結んで、持ち家に住み続けられる仕組みです。ただし、住み続けるには家賃を支払う必要があります。そして、この家賃は単純に地域の相場だけで決まるわけではありません。

リースバックの家賃は、業者の買取価格をもとに、年間の利回りを加味して算出されます。業者は「この物件をいくらで買って、年間どれくらい利益を得たいか」という視点で家賃を設定しているのです

また、家賃には業者の利益だけでなく、物件の管理コストや再販売リスクといった経済的な要素も含まれます。そのため、リースバックの家賃は、近隣の一般的な賃貸物件よりもやや割高に設定されることが多いのです。

次に、実際にリースバックの家賃がどのように計算されるのか、買取価格との関係も含めて詳しく見ていきましょう。リースバックを検討中の方は、納得できる契約に向けてぜひ参考にしてください。

リースバックの家賃の算出方法と買取価格との関係

リースバックの家賃は、持ち家の買取価格に想定利回りを掛けて算出されます。

リースバックの家賃(月額)=買取価格 × 利回り ÷ 12カ月

この利回りとは、業者が投資した金額に対して、どれだけ利益を得たいかを示す数値です。一般的に、リースバック業者は年間6~13%程度の利回りを目標としています。

例えば、2,400万円で買い取られた持ち家で、業者が8%の利回りを設定した場合、年間家賃は192万円、月額16万円となります。

家賃:2,400万円 × 8% ÷ 12カ月 = 16万円

この家賃には、業者の運営コストや将来的な再販売リスクも上乗せされているため、周辺の賃貸相場よりも高い家賃になることが多いのが実情です。

このように、持ち家の買取価格が低く査定されると、それに基づいて算出される家賃も高くなってしまいます。リースバックを検討する際は、家賃が適正かどうかを判断するためにも、必ず複数の業者から見積もりを取り、条件を比較することが大切です

リースバックの家賃の具体例については、以下の記事で詳しく解説しています。
【ケース別】リースバックの家賃について

「持ち家を安く売って高く住む」状態に?家賃が高くなる場合とは

リースバックでは、持ち家を売却しても住み続けられる安心感を得られますが、その裏で「家賃が高すぎるのでは?」と疑問に感じる方も少なくありません。その背景には、業者側が負うさまざまなリスクがあります

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まず、将来的に持ち家を再販売する際の価格変動リスクが挙げられます。リースバック契約では、売却から数年間は元の所有者が住み続けるため、業者はすぐに売却して利益を得ることができません。加えて、持ち家の老朽化や設備劣化のリスクも想定されます。

また、元の所有者が借主となるリースバック契約では、退去の時期が見込めないため、資金回収の見通しが立てづらくなります。こうした要因から、リースバック業者は通常よりも高めの利回りを設定し、それが家賃に反映されるのです。

「持ち家を高く売って高い家賃で住む」ように感じられるかもしれませんが、これは業者がリスクをカバーするためのやむを得ない対応でもあります。家賃が高めでも、リースバックによって生活環境を変えずに資金を得られるメリットをどう評価するかが、契約判断のポイントとなります。

持ち家のリースバックの仕組みと流れ

リースバックは、持ち家の売却後も同じ家に住み続けられる仕組みです。住み慣れた環境を変えずにまとまった資金を得られることから、老後の生活資金の確保や住宅ローン返済手段として注目されています。

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リースバックの基本的な流れは、まず業者による持ち家の査定から始まります。その後、売却価格や家賃などの条件を確認し、必要に応じて交渉を行います。条件に納得できれば、不動産売買契約と賃貸借契約を同時に締結します。売却代金は比較的早く受け取れるため、急な資金ニーズにも対応できるのが特徴です。

ただし、リースバックには注意点もあります。売却後は毎月の家賃負担が発生し、将来的な買戻しを希望する場合、買戻し価格が割高になるケースもあります。また、契約期間に制限があったり、業者によって条件にばらつきがあったりするため、十分な情報収集と比較が必要です。業者選びを間違えると、想定より不利な条件で契約してしまうリスクもあります。

リースバックを安心して利用するには、仕組みを正しく理解し、メリット・デメリットの両面を把握することが大切です

以下の記事では、リースバックの利点と注意点について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
リースバックのメリットを活かしデメリットを回避する方法とは

リースバックの契約形態は2種類!家賃や住み続けられる期間は?

リースバックでは、契約形態によって家賃や住み続けられる期間が大きく異なります。主に、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があり、それぞれに特徴があります。

普通借家契約は、借主の居住権が強く保護されており、正当な理由がない限り契約更新が可能です。リースバック業者から一方的に契約を解除することはできないため、持ち家に長く住み続けたい方に向いています。ただし、その分業者側のリスクが高くなるため、家賃はやや高めに設定されるのが一般的です。

一方、定期借家契約は、あらかじめ契約期間が定められており、期間満了と同時に契約が終了します。一般的に2~3年の契約期間が多く、再契約できるかどうかはリースバック業者次第です。持ち家に長く住み続けることは難しいものの、業者のリスクが低いため、家賃は比較的安く抑えられるケースが多いです。

以下の表で、両者の違いを簡潔に比較してみましょう。

普通借家契約 定期借家契約
契約の更新 基本的に更新可能(正当な理由がないと解除不可) 契約期間終了で終了(更新なし)
住み続けられる期間 長期間住み続けることが可能 契約期間(2〜3年など)で終了する可能性が高い
家賃の傾向 やや高めに設定されやすい 比較的安く設定されることが多い
向いている人 長く住み続けたい人 一定期間だけ住みたい人、家賃を抑えたい人

どちらの契約形態を選ぶべきかは、「持ち家にどれだけ長く住みたいか」「家賃の負担をどれほど許容できるか」といった点を踏まえ、慎重に検討しましょう。

リバースモーゲージとの違いもチェック

持ち家を活用した資金調達方法として、リースバックと並んで「リバースモーゲージ」もよく知られています。どちらも老後資金の確保に利用されますが、仕組みや家賃発生の有無などに違いがあります。

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リバースモーゲージは、持ち家を担保に金融機関から融資を受ける制度で、毎月利息のみを支払い、元本は借主が死亡したときに持ち家の売却によって返済します。所有権は借主が保持するため、家賃の支払いは発生しませんが、借主には金利を支払う必要があり、持ち家の価値下落リスクを借主が負います。また、リバースモーゲージは利用条件が厳しく、推定相続人の同意も必要なケースが多いです。

一方、リースバックについては、持ち家を一度売却する代わりに、家賃を支払ってそのまま住み続けることができます。持ち家の所有権は業者に移りますが、将来の買戻しも可能です。リースバックの利用条件はリバースモーゲージに比べて柔軟で、相続人の同意も不要です。とはいえ、リースバックの利用を検討する場合は、相続時のトラブルを避けるために、事前に家族へ相談されることをおすすめします。

どちらを選ぶかは、持ち家の所有権の重要性や家族の状況、将来設計によって判断すべきでしょう

リースバックの利用で失敗しないために!知っておきたい注意点

リースバックの利用で最も多い失敗は、契約内容の確認不足による、想定外の事態です。特に、家賃の改定条件、契約更新の条件、持ち家の買戻しに関する詳細を曖昧なまま進めてしまうと、後から不利な条件に気づくケースがあります。リースバック契約では、後々家賃が値上げするケースもあるため、長期間住み続けたい人ほど慎重に検討する必要があります。

また、複数のリースバック業者に査定を依頼せず、1社の提示だけで持ち家を売却するのも危険で、不利な条件で契約する恐れがあります。持ち家の買取価格だけでなく、家賃設定、契約期間、買戻し条件を総合的に比較することが重要です。さらに、リースバック業者の信頼性や過去の実績も必ず確認しましょう。

甘い条件に飛びつかず、家賃負担や将来設計を見据えて慎重に進めることが、持ち家を手放した後も安心して暮らすためのカギとなります。

リースバックでよくあるトラブル事例

リースバックを利用する際には、事前の確認不足や業者とのトラブルによって、思わぬトラブルにつながることがあります。ここでは、実際に起きた事例をご紹介します。

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まず多いのが、家賃の急な増額や契約更新ができずに、退去を求められるケースです。例えば、持ち家をリースバックで売却した高齢者が、初回契約では適正な家賃で住んでいたものの、再契約時に大幅な家賃の値上げを提示され、支払いが困難になってしまったというケースがありました。

また、持ち家の査定額が相場よりも不当に安く設定されていたため、売却後に得た資金が想定より早く尽き、生活設計が狂ってしまった事例も報告されています。

さらに、契約終了後に再契約を希望したにもかかわらず、リースバック業者の都合で再契約を断られ、持ち家から退去を迫られたケースもあります。

こうしたトラブルを防ぐためには、家賃の条件や再契約の有無、買戻しの可否などを事前にしっかり確認し、複数のリースバック業者を比較検討することが重要です

持ち家のリースバックで家賃補助や手当は受けられるのか?

持ち家をリースバックした後でも、家賃補助や住宅手当を受けられるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

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リースバックを利用すると、法的には「賃貸住宅に住んでいる状態」となります。そのため、条件を満たせば自治体の家賃補助や住宅手当など、公的支援制度の対象となる可能性があります

ただし、リースバックによって持ち家を売却し、まとまった資金を得た場合には注意が必要です。生活保護や住宅扶助の審査では、その売却益が「資産」とみなされることがあり、支援対象外となるケースもあります。特に、生活保護を受給している人は、一時的に支給が停止される場合もあるため、慎重な判断が必要です。

一方で、高齢者や低所得世帯向けに、独自の家賃補助制度がある自治体もあるため、まずはお住まいの地域の福祉窓口に相談することが重要です。

公的支援とリースバックの併用をお考えの方は、持ち家の売却前に自治体の福祉担当者や社会福祉士に相談しましょう。それぞれの状況に応じて、最適な制度の活用方法を提案してもらえるはずです。

持ち家の活用についてお困りでしたら、あきやの未来へご相談を

持ち家の活用についてお悩みでしたら、あきやの未来(常総・筑西・坂東・桜川・つくば店)にぜひご相談ください。

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この記事では、リースバックの仕組みや家賃との関係、トラブルを避けるための注意点についてご紹介しました。持ち家を手放さずに住み続けたいという方にとって、リースバックは有力な選択肢となりますが、安心して活用するためには事前の確認や信頼できる相談先が不可欠です。

あきやの未来では、持ち家の状況やご希望に合わせた最適なプランをご提案いたします。地域密着型ならではのきめ細やかな対応で、お客様に無理のないかたちでご提案いたします。

ご相談は無料、無理な営業や勧誘も一切ございません。「まずは話だけ聞いてみたい」という方も、どうぞお気軽にお問い合わせください。リースバックに関する疑問や不安を一緒に解消していきましょう。

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