【離婚】住宅を名義変更したら税金は？
離婚後、住宅の名義変更の際には税金が課税されます。
特に、離婚により住宅などの夫婦共有不動産を一方に名義変更する際は、贈与税、譲渡所得税、不動産取得税、登録免許税の税金がかかる可能性があります。
住宅の名義変更で、全ての税金が必ずかかるわけではありませんが、それぞれ詳しく税金をみていきましょう。
贈与税
贈与税は財産を譲り渡す際にかかる税金ですが、離婚時は原則、税金が非課税となります。
ただし、婚姻中に夫婦で得た財産と比較し分与された財産が多すぎる場合、贈与税や相続税を免れることを目的に離婚したと判断された場合は例外です。
このような場合は、贈与税の税金がかかる可能性があるため注意しましょう。
譲渡所得税
譲渡所得税は、住宅などの財産を譲り渡したときの利益分に課税される税金ですが、離婚時も課税対象となります。
譲渡所得税は譲渡した人のみが払う税金で、財産をもらった人に納税義務はありません。
例えば、不動産（住宅）を夫に名義変更する場合は、妻に対して譲渡所得税の税金が課税されます。
また、譲渡所得税は不動産の値上がりに対して課税されるため、不動産（住宅）の価値が当初と比較して下がっている場合は税金は課税されません。
さらに一定の要件を満たすことで特別控除が適用され、大幅に税金が控除されます。
税金の特別控除の適用を受けたい方は要件を確認しましょう。
不動産取得税
新たに不動産（住宅）を所有した際に必要な不動産取得税は、離婚時の名義変更では原則、非課税になる税金です。
そもそも夫婦で築いた財産を分割するため不動産取得税は不要です。
しかし、財産を分割するのではなく、慰謝料や離婚後の生活扶助が目的であれば課税されることがあるため注意しましょう。
また、贈与税や相続税を免れるために不正申請すると、課税されるリスクもあります。
登録免許税
登録免許税は登記名義の変更手続きに課税される税金ですが、離婚時にする住宅の名義変更でも課税の対象となります。
不動産（住宅）の所有権は登記をすることで主張できるようになります。
従って、登記は欠かせない手続きであり、登録情報を変更する際は必ず納める必要があります。
しかし、登録免許税は高額であるため名義をそのままにしておく人もいらっしゃいます。
名義変更を怠るとトラブルとなる可能性があるため、税金費用を誰が負担するかを事前に協議しておきましょう。
離婚による不動産の名義変更の手順と必要書類は？
住宅の名義変更の手順は以下の通りです。
まず、名義変更の為の話し合いや離婚調停で財産分与の内訳を決めます。
収入の差や分担した費用に関わらず、財産分与では全ての財産を折半するのが一般的です。
夫婦でまとまらない場合は、家庭裁判所に離婚調停の申し立てをしましょう。
次に名義変更の為に、離婚協議書を作成しましょう。
名義変更や財産分与の取り決めは離婚協議書として書面に起こすことをオススメします。
口約束の取り決めも有効ですが、将来的にトラブルになった際に、内容を確認する証拠として重要になります。
離婚協議書には決まった書式はありませんが、主に離婚に合意した旨や、子どもの親権、養育費、慰謝料、名義変更を含む財産分与などについて明記しておくと良いでしょう。
次に離婚届を提出します。
離婚届は夫婦の本籍地か所在地の役所に提出できます。
離婚届が受理されることで、離婚が成立します。
そして最後に住宅の名義変更を申請します。
手順の通り、住宅の名義変更の申請は離婚が成立してから行いましょう。
離婚が成立する前に住宅の名義変更をすると、名義変更が財産分与ではなく贈与とみなされ、税金がかかる可能性があるため注意しましょう。
離婚を契機に住宅ローンの名義人を変更する方法とは
離婚を機に住宅ローンの名義変更をする1つ目の方法は、住宅ローンの完済後に離婚することです。
住宅ローンの残高が残っている間は、原則として名義変更できません。
また、借り入れている人が勝手に名義変更すると契約違反となり、金融機関から一括返済を求められる場合もあるため注意しましょう。
例えば離婚後、妻が住宅に住むことになった場合、ローンの残高を貯金で支払ったり、親からの援助で支払いが可能になったりすると抵当権が外れ名義変更可能となります。
2つ目は離婚後に夫婦間で住宅を売買する方法です。
どちらか一方が、全額を出して買い取ることは現実的ではありません。
そのためこの場合、住宅ローンを借り換えることを指します。
例えば、金融機関で審査を通過した後、妻名義の住宅ローンを借り換え、残高を完済します。
その後、夫名義の住宅ローンの抵当権を抹消します。
離婚による住宅の名義変更は税金がかかる
離婚による住宅の名義変更にかかる税金や手順についてご紹介しました。
離婚時の住宅の名義変更にはさまざまな税金がかかりますが、税金が控除になる例外もあるため注意しましょう。
離婚時、住宅などの不動産売買や税金でお困りの際はぜひ当社までお問合せください。