住んでいる家の相続税はどのくらいかかる?節税対策と申告のポイント

2024年3月22日

住ん で いる 家 の 相続 税 知識

住んでいる家の相続税の基礎知識について解説します

「住んでいる家の相続税はどのくらいになる?」「相続税が払えなかったら住んでいる家を売却しないといけないの?」などと疑問に思われている人もいるのではないでしょうか。

相続税は、故人が残した財産を受け継ぐ際に支払う税金のことです。この相続税の額は、受け継いだ財産の評価額に応じて決まります。特に、住んでいる家などの不動産を相続する場合、不動産の評価額は高くなりますので、相続税が高額になることがあります。

しかし、相続税には小規模宅地等の特例や配偶者控除などの特例があるのをご存知でしょうか。これらの特例を利用することで、住んでいる家の評価額を軽減することができ、相続税の額を大きく減らすことができます。

この記事では、相続税に関する基礎知識や特例を利用した節税対策、注意点などについて解説していきます。相続税について基本的な知識を理解し、住んでいる家に利用できる特例を有効に活用しましょう。

相続税の計算

住んでいる家を守るためにも、まずは相続税の計算方法の基本について理解しておきましょう。

  1.  相続した財産すべてについて評価額を算出します。相続財産には、不動産や現金だけでなく、預金、株式なども含まれます。
  2.   1から法律で定める控除額(基礎控除額、負債、葬式費用など)を差し引きます。
  3.   2で差し引いた金額に対して所定の税率を適用し、相続税の税額を算出します。税率は財産の価値や相続人の関係などに応じて決まります。
  4.  負担すべき相続税について、相続人が申告と納税を行います。

相続する財産によって評価額の算出方法は異なりますが、住んでいる家などの不動産については計算方法が複雑であり、なおかつ評価額も高額になる場合があります。そのため、少しでもわからないことが出てきたら、税理士や税務署などに相談されることをオススメします。

次に、相続税の申告期限や納付について説明します。

相続税の申告と納付は、相続発生日から10カ月以内と定められています。ここで注意が必要なのは、申告だけでなく納付も期限内に行うという点です。この期限を過ぎると、延滞税が発生することがありますので、必ず期限内に相続税の申告と納付を行いましょう。

小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例は、住んでいる家など土地の評価額に対する節税対策として、有効な手段の一つです。

住ん で いる 家 の 相続 税 小規模宅地等の特例

この特例は、住んでいる家などの不動産を受け継ぐ際、特定の要件を満たす居住用宅地や事業用宅地について、その土地の評価額を軽減することができる制度です。具体的には、居住用宅地に適用される場合、最大で330平方メートルまでの部分が、評価額の80%を減らすことができます。

この特例が設けられた背景には、相続人の生活基盤を損なわないことにあります。

前述のとおり、住んでいる家などの不動産は、相続税において大きなウエイトを占めます。例えば、居住用宅地の評価額が高額になった場合、相続税を支払うための資金がなかったら、住んでいる家を手放す必要がでてくるかもしれません。相続人が安定した生活を送ることができなくなりますので、そういった状況を防ぐためにこの特例が設けられました。

小規模宅地等の特例が適用される要件

小規模宅地等の特例が適用されるためには、いくつかの要件があります。

まず、この特例は居住用の宅地や事業用の宅地に適用されます。居住用宅地の対象となるのは、故人が亡くなる時点で実際に居住していた土地、または家族が居住していた土地です。また、事業用の宅地の対象となるのは、故人が直接事業運営に利用していた土地です。

そして、土地の面積に関する制限もあります。居住用宅地の場合、一定の面積を超える部分については、特例の適用が受けられない場合があります。

さらに、この特例を適用するためには、相続税申告時に特例の適用を申請し、必要な書類を提出することが必要です。

これらの要件を満たせば、土地の評価額を軽減することができ、結果として相続税の負担も抑えられます。住んでいる家を守るために、この特例の適用要件をしっかり理解しておきましょう。

また、この特例の適用については細かいルールが設けられていますので、スムーズに相続税申告を行うためにも、税理士などの専門機関に相談することをオススメします。

配偶者居住権について

配偶者居住権も、相続税における重要な節税対策の一つとして役立ちます。

配偶者居住権とは、相続が発生した際、故人の配偶者が住んでいる家に継続して暮らし続けられるよう保護するための権利で、2020年(令和2年)4月1日に施行されました。この権利により、配偶者は一定期間、または生涯にわたって、住んでいる家に居住することができます。

住ん で いる 家 の 相続 税 配偶者

高齢化が進み、日本の平均寿命が延びていることもあり、被相続人が亡くなったときにその配偶者も高齢になっているケースが一般的になりました。

故人と配偶者が一緒の家に住んでいたら、そのまま配偶者が家などの不動産を相続することになるでしょう。一般的に、土地や家など不動産の相続税評価額は高額になります。そのため、配偶者居住権ができるまでは、配偶者の法定相続分の控除額を上回ってしまうと、預貯金など他の財産については別の相続人が相続するケースが多くありました。そうなると、配偶者は住み慣れた家に住み続けることができる一方で、他の財産を相続できなくなってしまい今後の生活資金に不安を感じてしまいます。このような背景から、配偶者居住権が設けられたのです。

配偶者居住権が適用される要件

配偶者居住権の適用には、以下の要件をすべて満たしている必要があります。

  • 残された配偶者が故人の法律上の配偶者であること
  • 故人が亡くなったときに、故人が所有していた家に配偶者が居住していたこと
  • 遺産分割、遺贈、死因贈与、家庭裁判所の審判のいずれかによって、配偶者居住権を取得していること

配偶者居住権を利用すれば、遺産分割の選択肢が増えます。残された配偶者が住み慣れた家で安心して暮らせるだけでなく、他の相続人とバランスの良い遺産分割を行うことができるでしょう。

住んでいる家を相続する際の注意点は?

住んでいる家を相続する際に注意すべき点ついてご紹介します。

住ん で いる 家 の 相続 税 注意点

  • 遺言書を作成しておく

可能であれば被相続人に該当する方が存命のうちに、遺言書を書いてもらいましょう。遺言書は被相続人の意思を明確に記したものですので、相続に関するトラブルを避けることができます。

  • あらかじめ相続税の額や費用を把握しておく

住んでいる家を相続する際に発生する、税金や費用についても把握しておくことが大切です。相続税は相続財産の評価によって決まりますので、あらかじめ計算し、どのくらいになるかを確認しておくと安心です。相続登記などの手続きにも費用はかかりますので、細かいですがこれらの費用も考慮しておくと良いでしょう。

  • 共有名義を避けて遺産分割する

共有名義はできるだけ避け、遺産分割をすることが望ましいです。共有名義となった場合、例えば売却時には全員の合意が求められるなど、手続きがより複雑化する可能性があります。遺産分割協議によって各相続人が個別に財産を相続することで、こうした問題を避けることができます。

相続登記はお早めに

相続する際は、できるだけ早く相続登記を行いましょう。相続登記とは、故人から受け継いだ不動産を新しい持ち主の名前に変えることです。

住ん で いる 家 の 相続 税 相続登記

これまで相続登記には手続きの期限が設けられていませんでしたが、2024年4月1日以降は、3年以内に相続登記を行うことが義務付けられました。この期限は2024年4月以前に遺産として受け継いだ人にも適用されます。

なお、期限内に名義変更を怠った場合、10万円以下の過料が課せられますので注意しましょう。

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住ん で いる 家 の 相続 税 あきやの未来

今回の記事では、住んでいる家を相続する際の節税対策、申告期限など、相続税に関する大切なポイントについて解説しました。

相続税の仕組みは複雑ですが、不明点を税理士や税務署などの専門機関に相談することで、スムーズに対応できます。

あきやの未来は豊富な経験と知識を活かし、相続における不動産の売却(仲介・買取)や空き家の管理についてご相談を承ります。些細なことでも構いませんので、お気軽にお問合せください。