土地と建物の名義が違うと立ち退きのトラブルも?!よくあるご質問に回答します

2023年12月20日

土地と建物の名義が違う!立ち退きの要件は?あきやの未来が解説します

土地と建物の名義が違うと立ち退きが必要になるのか、ご不安になられる方もいるのではないでしょうか。

名義が違う場合の考えられるケースは以下のとおりです。

  • 土地所有者以外の人が土地を借りてその上に建物を建てた
  • 土地と建物を別々に相続した
  • 相続した土地の名義変更をしないまま家を建てた

名義が違うケースは案外めずらしいことではありませんが、不動産会社がよく耳にするのが「立ち退き」の問題です。

ここからは、名義が違う場合にどのような要件に該当すると立ち退きになるのか、不動産売買の経験が豊富なあきやの未来が具体的にご説明します。

立ち退きが必要!?土地所有者と建物所有者との間で生じるトラブル

土地の所有者と建物の所有者との間で生じるトラブルには、次のような事例が挙げられます。

【名義が違う場合、よくあるトラブル】

  • 死亡した親が自宅以外に所有する土地を他人に貸し、借りた人が家を建てたが、別の用途で土地を利用したいため立ち退いてほしい。
  • 親名義の土地に、自分名義で建物を建てて住んでいるが、親が亡くなり、兄弟で相続することになったとたん、兄弟から立ち退きを要求された。
  • 親名義の土地に、自分名義の家と親・兄弟が住んでいる家があるが、兄弟から親の介護でリフォームするため、自分名義の家を壊したいと言われた。

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立ち退きを希望する土地所有者、あるいは、立ち退きを要求されている建物所有者、どちらの立場であっても一人では解決しづらい悩ましい問題です。

立ち退きの問題は、法律に則って適切に対処しなければ大きなトラブルに発展する可能性が高いため、注意が必要です。

【土地と建物の名義が違う場合】立ち退きの要件について

土地と建物の名義が違う場合、どのような要件で立ち退きの請求が成立するのでしょうか。

立ち退きの要件は、借地借家法で規定されています。

土地と建物の名義が違うときの立ち退き要件は、土地の利用が「賃貸借」と「使用貸借」の場合で異なります。

土地の貸し借りの方法には、「賃貸借」と「使用貸借」の2種類があります。

賃貸借では、貸主は土地を貸し出す代わりに、借主から金銭的な対価を受け取ります。

一方、使用貸借では、貸主は借主から対価をもらいません。

借地借家法では、使用貸借の方が、賃貸借よりも借主側の権利が弱く、立ち退き要件が緩いことは覚えておきましょう。

次に、賃貸借の場合の立ち退きの要件、そして使用貸借の場合の立ち退きの要件について詳しくご紹介します。

賃貸借の場合

借主が賃貸借で土地を借りている場合、貸主は正当な理由がない限り、簡単に立ち退きを請求できません。

借地借家法により、借主の権利が保護されているためです。

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立ち退きを請求できる正当な理由としては、以下のような事由が挙げられます。

  • 賃料滞納などの明らかな契約違反がある場合
  • 賃貸借の契約が定期借地契約であり、契約期間を満了している場合

土地の借主が賃料を支払っていない場合、契約に違反しているため、立ち退きの請求が可能です。

また、契約更新のない「定期借地契約」で土地を貸借しており、契約期間が満了している場合も、貸主は借主に立ち退きを請求できます。

ただし、土地と建物の名義が違う場合の多くは、権利の整合性を確保するための補償として立ち退き料の支払いが必要です。

使用貸借の場合

使用貸借の場合、貸主は借主に一方的な立ち退きを要請できます。

使用貸借では、貸主は相応の賃料を借主から受け取っていないため、借主は借地法による保護が受けられず、借主の権利は弱いのです。

期日が決められていない使用貸借契約では、借主は貸主からの立ち退き要請に応じる必要があります。

借主が要請を無視した場合、貸主は法的措置により立ち退きさせることができます。

ただし、契約期日が満了していなかったり、使用貸借の目的が達成していなかったりする場合、貸主は借主に立ち退き料を支払う必要があることにご留意ください。

土地と建物の名義が違う場合、売却や解体はできるの?

土地と建物で名義が違うと売却や解体が可能なのか悩まれる方もいるでしょう。

名義が違う場合でも、不動産の売却や解体は可能です。

自身が所有する不動産の売却であれば、名義が違う状態であったとしても、もう一方の所有者の同意がなくても行えます。

しかし、売却における権利関係のトラブルを避けるために、名義人をどちらか統一して売却することがもっとも確実です。

一方、不動産の解体は、両方の名義人の同意が必要です。

名義が違う場合には、同意が得られるように、日頃からコミュニケーションを取っておきましょう。

以下では、土地と建物で名義が違う不動産の売却・解体方法をそれぞれご説明します。

売却する方法

名義が違う不動産の売却方法について、おおまかな流れは以下のとおりです。

  • 売却意思のある名義人が、もう一方の名義人に売却の同意を得る
  • 買主候補と契約交渉を行う
  • 土地売買契約を締結する
  • 売買実行・所有権移転登記

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また、名義が違う土地と建物を同時に売却する場合、2通りの方法があります。

一つは、売却意思のある所有者が、もう一方の名義人から所有権を買い取ったあとに、不動産を売却する方法です。

売却の前に、名義の違う土地と建物の所有者を統一することで、通常の売却と同じ扱いになり買主候補との契約交渉はシンプルになるため、もっとも確実な方法です。

もう一つは、土地と建物の所有者がそれぞれ当事者となって売却する方法です。

この場合、買主候補は名義が違う土地と建物の所有者それぞれとの契約になるため手続きが増えます。

その一方で、土地と建物の所有者側からみれば、所有者間での売買で発生する譲渡所得税・不動産取得税・登録免許税の出費を抑えられ、経済的な負担が減ります。

売却の際にはどのような方法が適しているのか、よくお考えのうえご対応ください。

解体(取り壊し)する方法

土地と建物の名義人が違う建物は、勝手に解体できません。

原則、名義人同士の合意が必要です。

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建物の所有者が借地権を保有している場合、土地の所有者は建物の解体を請求できません。

名義人同士で借地契約を合意解約したり、契約期間満了に合わせて解約したりする必要があります。

借地契約が終了すれば、建物の解体は可能です。

なお、借地契約終了には、立ち退き料や正当な事由が必要な点に注意してください。

また、借地契約終了後も建物が存在する場合、土地所有者は建物所有者に解体を請求できます。

ただし、あくまでも建物所有者に解体を「請求」できるに留まっており、土地所有者が勝手に建物を解体することは違法ですのでご注意ください。

建物所有者が請求に応じれば解体できますが、もし応じない場合は訴訟により解体が認められれば、土地所有者でも建物を解体できます。

トラブルを避けるために

名義が違う場合、売却や解体でトラブルになることも多いでしょう。

例えば、親族間ならわざわざ文書を交わす必要はないと口約束で済ませたり、取引内容の取り決めが曖昧になってしまったりと、最初に判断を誤った結果、後々トラブルに発展するケースもあります。

トラブルを避けるためには、事前に契約を締結していたり、円滑なコミュニケーションを取ったりすることが大切です。

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名義の違う不動産の交渉や契約で難航している場合は、法律の専門家への相談がオススメです。

第三者の視点から、不動産の権利・契約の交渉や手続きを仲介してくれます。

詳しくは、法律事務所などの専門機関に相談してください。

土地や建物の売却にお困りでしたらあきやの未来にご相談ください

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土地や建物の売却にお困りの場合は、あきやの未来(常総店・筑西店・坂東店・桜川店・つくば店)にお任せください。

今回は、土地と建物の名義が違う場合の立ち退きの要件について、また、名義が違う場合の売却や解体の可否についてご説明しました。

土地と建物の名義が違うことによるトラブル(立ち退き、解体など)は、お客様からもよくご相談頂きます。

あきやの未来では、今回ご紹介したような名義が違うことによるトラブル等、お客様のお悩みに応じたアドバイスを行いながら、必要に応じて弁護士や行政書士、司法書士とも連携しながら対応することもできます。

お一人でお悩みを抱えずに、お困りごとがございましたら、お気軽にあきやの未来へご相談ください。