認知症になったら自宅売却はできるのか?成年後見制度の注意点や不動産売却方法を解説

2025年3月7日
認知症 自宅売却 高齢者

認知症の親の自宅売却はできる?不動産売却の可否を判断するポイント

認知症の親の自宅売却を考える場合、最も重要なのは「意思能力(判断能力)」があるかどうかです

認知症の親の自宅売却においては、「意思能力の有無」が最も重要な判断基準となります。認知症と診断されていても、契約内容を理解し、自ら意思決定ができる状態であれば、自宅売却を進められる可能性があります。一方で、意思能力が失われている場合は、家族であっても本人に代わって自由に不動産を売ることはできません。

認知症の親の自宅を売るかどうか検討する際は、「認知症だから売れない」と決めつけるのではなく、現在の判断能力や今後の生活設計を踏まえて、適切な方法を選択することが大切です

認知症による自宅売却では、成年後見制度や法定後見制度などの制度を利用するケースもあるため、事前に基本的なルールを理解しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。

認知症 自宅売却 老夫婦が契約している場面

認知症でも意思能力があれば自宅売却できる場合がある

認知症と診断されていても、本人に「意思能力(判断能力)」があれば、自宅売却ができる場合があります。

意思能力とは、「自宅を売るとどうなるのか」「いくらで売るのか」「売った後はどこに住むのか」といった内容を理解し、自分で判断できる状態のことです。そのため、認知症と診断されたからといって、すぐに自宅売却ができなくなるわけではありません。

例えば、軽度の認知症で日常生活に大きな支障がなく、不動産売却の内容について説明を受けて理解できる状態であれば、通常どおり売却手続きを進められる可能性があります。一方で、認知症の症状は徐々に進行することもあるため、「今は大丈夫」と思っていても、時間が経つと自宅売却が難しくなるケースもあります。

認知症の親の自宅売却を考えている場合は、「売れるかどうか」を悩む前に、まず現在の判断能力を確認し、できるだけ早めに不動産会社や専門家へ相談することが大切です。

意思能力がない場合は家族だけで不動産を売却できない

認知症が進行して本人の意思能力がなくなった場合、家族だけの判断で自宅売却を行うことはできません。

「親の介護費用のためだから」「子どもだから代わりに売れるはず」と考える方もいますが、法律上は、たとえ家族であっても本人名義の不動産を自由に売却する権限はありません。これは、認知症の方の財産を守るためのルールです。

例えば、認知症の親が施設に入所し、誰も住んでいない実家が空き家になったとしても、本人の意思能力が確認できなければ、そのままでは自宅売却を進められません。無理に契約を進めた場合、後から契約が無効になる可能性もあります。

認知症による自宅売却では、「家族だから何でも決められる」というわけではないため、成年後見制度などの法的な手続きを利用しながら進めることが大切です。

認知症の親の自宅売却で利用される成年後見制度と法定後見制度

認知症の親の自宅売却を進める場合、本人の意思能力が十分でないと判断されたときは、「成年後見制度」を利用して手続きを行うことになります。成年後見制度は、認知症などによって判断能力が低下した方の財産や権利を守るための制度であり、認知症による自宅売却でも利用されることが多い制度です。

認知症 自宅売却 微笑む夫婦

成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。法定後見制度は、すでに認知症が進行している場合に利用され、任意後見制度は、本人が意思決定できるうちに信頼できる人を後見人に指定し、将来の財産管理を託す制度です。

成年後見制度では、家族が後見人になるとは限らず、第三者(弁護士や司法書士などの職業後見人)が後見人に指定される場合もあり、財産管理などの日常的な業務に対して報酬を支払います。成年後見制度は本人が死亡するか判断能力が回復するまで継続するため、自宅売却後も後見人への報酬支払い義務が続くことに注意が必要です。

また、自宅売却は大きな財産処分にあたるため、家庭裁判所の許可を得る必要があります。後見人が売却手続きを代行するため、通常の報酬とは別に報酬を支払うことになります。

後見人ができること・できないこと

成年後見人は、認知症の親の財産を適切に管理し、必要な法律行為を代理で行う役割を担っています。しかし、後見人の権限には限りがあり、すべての決定を自由に行うことはできません。

まず、後見人ができることとして、自宅売却や賃貸契約の締結、預貯金の管理、医療費や生活費の支払いなどが挙げられます。これにより、認知症の親が生活に必要な資金を確保し、安心して生活できるようサポートすることが可能です。

一方で、できないこととして、後見人が認知症の親の財産を勝手に処分することは認められていません。特に、自宅売却には家庭裁判所の許可が必要で、売却の妥当性が審査されます。また、認知症の親の意向を無視して資産を運用したり、贈与や相続対策を行うことも制限されています。

後見人の権限を正しく理解し、適切な手続きを行ったうえで、認知症の方の自宅売却を円滑に進めましょう。

区分 内容
できること 自宅売却、賃貸契約、預貯金管理、医療費・生活費の支払いなど
できないこと 財産の自由な処分、贈与、本人の意思に反する資産運用など
注意点 自宅売却には家庭裁判所の許可が必要

認知症が進行する前に自宅売却を検討することも選択肢の一つ

認知症が進行する前に自宅売却を検討することは、有効な選択肢の一つです。本人の意思能力が十分にある段階であれば、成年後見制度を利用せずに、不動産売却を進められる可能性が高いためです。

特に、将来的に介護施設への入居を予定している場合や、空き家になる可能性が高い場合は、早めに家族で話し合っておくことが重要です。認知症の症状は徐々に進行することも多く、「まだ大丈夫だと思っていたら売却できなくなっていた」というケースも少なくありません。

また、自宅売却だけでなく、家族信託や任意後見制度などの活用を検討する方法もあります。認知症による自宅売却は、症状が進行してからでは選択肢が限られるため、元気なうちから将来の財産管理について考えておくことが大切です。

認知症 自宅売却 話し合いをする家族

法定後見制度を利用して自宅売却する方法と流れ

認知症によって本人の意思能力が低下している場合は、「法定後見制度」を利用して自宅売却を進めることになります。手続きには時間がかかるため、全体の流れを事前に把握しておくことが大切です

ステップ 内容
① 申立て 親族(配偶者・子どもなど4親等内)や市区町村長が家庭裁判所へ申立てを行う
② 必要書類の提出 診断書・財産目録・不動産登記事項証明書などを提出する
③ 審査・面談 家庭裁判所が本人や申立人と面談し、状況を確認する
④ 後見人の選任 家族または弁護士・司法書士などの専門家が選ばれる
⑤ 財産管理の開始 後見人が本人の財産管理や生活支援を行う
⑥ 売却許可申請 自宅売却が必要な場合、家庭裁判所へ許可を申請する
⑦ 不動産売却実行 許可後に後見人が売却手続きを進める

まず、配偶者や子どもなどの4親等内の親族、または市区町村長が家庭裁判所へ成年後見開始の申立てを行います。申立ての際には、本人の診断書や財産目録、不動産登記事項証明書などの必要書類を提出します。

その後、家庭裁判所が書類の確認や面談などを行い、成年後見人を選任します。成年後見人には家族が選ばれる場合もありますが、弁護士や司法書士などの専門家が選任されることもあります。

成年後見人が決まると、本人の生活状況や財産状況を確認し、自宅売却が本人の利益になるかどうかを検討します。売却が必要と判断された場合は、家庭裁判所へ売却許可を申請し、許可が下りた後に不動産売却の手続きを進めます。

後見人の選任から売却完了まで数カ月以上かかることもあるため、介護費用の準備や空き家対策のために認知症の親の自宅売却を考えている場合は、できるだけ早めに相談・準備を始めることが重要です

認知症の親の自宅売却で知っておきたい注意点

認知症の親の自宅売却では、通常の不動産売却とは異なる注意点があります。

特に、成年後見制度を利用する場合は、手続きや費用、売却までの期間について事前に確認しておくことが大切です。

注意点 内容
成年後見制度は原則終了できない 一度利用すると、本人が亡くなるまで制度の利用が続く。
後見人への報酬が発生する 弁護士や司法書士などが後見人になった場合、継続的な報酬が必要になる。
家族の判断だけでは売却できない 本人の利益になるかどうかを基準に手続きが進められる。
売却までに時間がかかる 後見人の選任や家庭裁判所の許可取得に数カ月以上かかることがある。

例えば、成年後見制度は一度利用すると、原則として本人が亡くなるまで継続します。また、成年後見人には家族だけでなく、弁護士や司法書士などの専門家が選任されることもあり、その場合は継続的な報酬が発生します。

さらに、認知症の親の自宅売却は、家族の希望だけで進められるわけではありません。家庭裁判所は、「本人の利益になるかどうか」を重視して判断するため、介護施設への入居費用の確保や空き家管理など、売却の必要性を説明する必要があります。

また、法定後見制度を利用した不動産売却は、後見人の選任や家庭裁判所の許可取得に時間がかかる場合があります。そのため、「すぐに売却したい」と考えていても、想定より長期間かかるケースもあります。

認知症による自宅売却をスムーズに進めるためには、制度の仕組みや売却スケジュールを事前に確認し、早めに専門家へ相談することが大切です

認知症による自宅売却・不動産売却のお悩みは「あきやの未来」にご相談ください

認知症の親御様の自宅売却について、「何から始めればよいかわからない」「自宅売却ができるのか不安」とお悩みの方は、ぜひ「あきやの未来」へご相談ください。

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認知症による自宅売却では、本人の意思能力の確認や成年後見制度の利用、家庭裁判所への申立てなど、通常の不動産売却とは異なる手続きが必要になる場合があります。そのため、売却できると思っていても、実際には時間や準備が必要になるケースも少なくありません。

あきやの未来では、認知症の親御様の自宅売却に関するご相談を承っており、お客様の状況に応じた売却方法をご提案しています。成年後見制度の利用が必要な場合も、専門家と連携しながら、手続きの流れや必要書類についてわかりやすくご説明いたします。

認知症による自宅売却は、早めに相談することで選択肢が広がる場合があります。親御様の自宅売却や不動産売却についてお悩みの方は、お気軽に「あきやの未来」へご相談ください。

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